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うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


戦い抜いた者への報酬

 本日、一本目。

 EP8の山羊たちについての考察を色々やってごちゃごちゃしているのでスッキリさせたい。
 そういうわけでEP8を通しで考察しようと思う。


 EP8は我々読者に対して参加を呼びかけることを多用している。
 それをもとに物語を見てみる。

 山羊たちのシーンに行く前に、譲治と朱志香のクイズを解いた後に教えて貰った助言を思い出そう。
 自分の手の中にある真実を守れるのは自分だけなのだ、と。
 そんな感じのことを言われたが、これは勿論我々読者に対しても言っているのだ。
 これを念頭に山羊たちのシーンを見ると、手の中の真実を崩そうとする他の真実、と解釈できる。
 真実というものは他を排する性質を持つので、他から見れば自分の真実もそういうものなのだね。

 ラムダデルタは物語の登場人物ではない。
 物語を観劇する読者の立ち位置。
 つまり、ラムダデルタは我々読者に重なる。
 物語の登場人物である者たちは、読者の手の中にある真実の中に住まう駒たち、と見做せる。

 我々読者が突きつけられたのは、その物語のキャラクターのために命を賭けられるのかということ。
 無論、現実の我々が死ぬわけではないので、プレイヤーとしての我々のことであるのだが。
 要するに、プレイヤーである貴方は、貴方の真実と運命を共に出来るのか、という問い掛けだ。

 故に、魔法と手品の選択肢は、我々プレイヤーにその選択を迫ったものに違いあるまい。
 猫箱より出る時に受け取った真実を、未練として捨てるのか。
 それともそれを持ち続けたまま生きるのか。

 受け取ったものは、読者それぞれで異なることだろう。
 クイズ大会の土産のように、これまでの謎にどう答えを出してきたのか、それに見合ったものを受け取っているはずだ。
 よってここからは、私が受け取ったものを前提として語ろう。


 私が受け取ったものは、一つの真実から生じる並び立つ真実、それを体現した真犯人の真実である。

 手品を選べば、一つの真実からいくら複数の真実を生み出そうと結局のところ真実は一つしかない、となる。
 魔法を選べば、一つの真実から生み出された並び立つ他の真実も認める、となるだろう。

 魔法を選ぶと、ベアトの入水シーン。
 戦人はプレイヤーに重なり、ベアトはプレイヤーが手に入れた真実に重なる。

 真実が並び立つには、猫箱、即ち島の中のみ。
 島の中でしか生きられないもう一人の自分(真実)を成立させるために、本当の真実は死んで幻想とならねばならない。
 真実が並び立つことを認めたプレイヤーは、最後にはそれを許容しなければならない。

 読者には生きるべき現実があり、幻想は幻想に帰らなければならない。
 海の底、幻想へと沈む真実を追い、読者の中にいるプレイヤーが運命を共にする。
 真実に至ったからこそ、もうその真実を手放さないと誓ったのだ。
 現実で誰かに認めてもらう必要はない。
 愛は二人で完結しているのだから。
 そして、二人は猫箱の中で永遠の眠りに就く。

 愛の結実を黄金の真実で認められ、真実は読者の頭の中の海の底で静かに眠っている。
 そういう感慨深いエンドなのだ。


 おお、ベアトリーチェ。
 お前は永遠に私だけのもの。
 決して離しはしない。
 だから私だけに微笑んでおくれ。





 取り合えず通してできたので、八城視点で振り返ってみる。

 縁寿の決断を八城は見守った。
 八城はかつてのベアトリーチェなので、過去の過ちの結果が示されたことになる。

 手品エンドを選んだ縁寿は、かつて島を出た八城そのものだ。
 魔法を、古き殻を捨て去って、新しい自分に生まれ変わる。
 果たせぬ復讐を追い求め、ただただ真実を暴き物語を殺し続けていく人生。
 その果てに自分の物語も殺されるのだ。
 自分が生きるために、もう一人の自分を殺した。
 だから、もう一人の自分を蘇らせるために、自分は死ぬことになるだろうと覚悟している。


 魔法エンドを選んだ縁寿は、かつて八城が選べなかったもの。
 赤き真実を知り、それでも黄金の魔法を認め、そこに託された心をちゃんと受け止めてくれる人がいるのだと証明されたのだ。
 だから過去の過ちを今こそ認められる。
 あれは自分の過ちであったのだと。
 もっと早く、会いに行けば良かったと。

 黄金郷が完成するには一人足りない。
 最後の一人を迎え入れて完成、いや、復活するだろう。
 今こそ黄金郷は蘇り、本当の主の帰還を祝福する。

 これは一人の人間の破壊と再生の物語。

 この物語を、最愛の魔女ベアトリーチェに捧ぐ





 ああ、これまでの物語が報われる最高のラストだ。
 ここまで推理してきたからこそ、感慨深いなぁ。
 この報酬は私だけのもの。
 私の努力も、ベアトの努力も報われた。
 推理してきて本当に良かった。

 ベアトリーチェ、ありがとう。
 謎を、ありがとう。
 信頼してくれて、ありがとう。
 推理させてくれて、ありがとう。
 竜騎士さん、本当にありがとう!


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  1. 2018/09/22(土) 19:11:49|
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プロフィール

フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

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