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うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


我らの告白

※小冊子「我らの告白」のネタバレあり。
 「我らの告白」はある種の解答になりうる内容になっている。
 その考察であるこの記事もまた同様の可能性があるので注意されたし。










 小冊子「我らの告白」を解く。
 そのためには、まず今回はどんな問題が出されたのかを知らなくてはならない。

『1000人に1人くらいは、本気で魔女が悪魔を召喚したと信じる者もいるかもしれない。
 そんな稀有な者にとってのみ、私の世界はファンタジー足りえるのだ。』
『妾は常に、ミステリーの物語とファンタジーの物語の2つを描いている。』
『恐らくは逆デス。1000人に1人を除いて全てのニンゲンは、あなたが本当に読んでもらいたかったにも関わらず、切り捨てて葬った、残り半分の物語を察することも出来ないに違いないのデス。』
『彼女はこの物語を、2つ描き、1つしか公開しないと言った。
 しかし、本当はそれも違う。
 3つ描き、1つしか公開しない物語なのだ。
 この未完成原稿によって、その3つの内の2つまでが晒された。』

 ベアトの描いた3つの物語。
 その内のどの物語を読んだのか。その人数の内訳について語られている。

 1000人の内、ファンタジーとして見る者は1人で、本当に読んでもらいたかった物語を察することができる者も1人。
 そして、それ以外のニンゲンが998人。
 それが3つの物語を読んだ者の内訳。

 今回の原稿によって、3つの内の2つまでが晒された。
 残る最後の真実を答えよ。





 注目すべきは連鎖密室。
 第3のゲームとは異なる点が幾つかあった。

 ひとつは、マスターキー。
 第3のゲームでは発見者に回収されたが、今回のゲームでは回収されなかった。

 ひとつは、礼拝堂の手紙。
 嘉音の死体をさらなる生贄の儀式のために拝借するというもの。
 第3のゲームではその手紙はないので礼拝堂で終わりだったが、今回のゲームではその手紙のせいでまた客間に戻ることになったことだろう。

 ひとつは、客間の閉められた鎧戸。
 第3のゲームでは割れた窓はそのままだったが、今回のゲームでは蔵臼が割れた窓を塞ぐために鎧戸を閉めた。
 第5のゲームで鎧戸は外から開けることができないとされたので、今回の客間の鎧戸もそうだと思われる。

 ひとつは、順路の順番。
 第3のゲームでは1階→2階→3階→2階→地下→礼拝堂だったのが、今回のゲームでは1階→2階→2階→3階→礼拝堂となっている。
 今回は金蔵の分がないので地下を抜かしたのはいいが、第3のゲームでは部屋を移動する度に階段を上り下りしていたが、今回は2階が連続だった。


 以上の違いはベアトの気紛れであると思考停止することはできる。
 が、心を蔑ろにしないためには、その結果に至る思考を読み解かなくてはならないだろう。


 今回発見者たちはマスターキーを回収しなかった。
 それは今回その残されたマスターキーを使用するトリックにしたということだろう。

 そのマスターキーを使用するためには、犯人は発見者たちが去った後にマスターキーを回収しなければならない。
 窓を割られた客間は鎧戸を下ろされ、発見者は扉を施錠し現場を全て密室に戻している。
 そのため犯人は、マスターキーを回収するために、別のマスターキーを使用して密室に入らねばならない。

 よって、5本のマスターキーの内、1本は連鎖密室の中になかった。
 にもかかわらず、発見者が密室を破って中に入った時には、その別のマスターキーはその部屋の中にあったことになる。
 つまり、時間差だ。


 発見者の後に犯人が入ってマスターキーを回収するには、早ければ早いほど良い。
 よって、発見者が一番最初に入った1階客間で嘉音のマスターキーを回収。

 発見者が侵入する前にマスターキーを戻すには、後の部屋であるほうが良い。
 よって、マスターキーで外から施錠できない礼拝堂を抜かし、発見者が最後に入ることになる3階控え室に郷田のマスターキーを戻せば良い。


 発見者が1階客間を去った直後、犯人は郷田のマスターキーを使って客間に入り、嘉音のマスターキーを回収。

 発見者が次の2階貴賓室に行っている間に、犯人は3階控え室に行って郷田のマスターキーを戻して、控え室を嘉音のマスターキーで施錠して密室に。

 発見者が2階貴賓室から2階夏妃の寝室に行っている間に、犯人は3階控え室から1階客間に戻った。

 犯人が1階と3階を往復するために、発見者を2階に長く留める必要があった。
 だから、第3のゲームとは異なり、連続して2階の部屋になるように順番を定めた。

 発見者が礼拝堂に向かったのを確認し、客間から嘉音の死体を運び出し、嘉音のマスターキーを使って他の部屋からマスターキーを回収。
 客間に嘉音のマスターキーを残して、客間を施錠。
 客間の密室から嘉音の死体が消えた、と演出。

 紗音が自殺したという幻想は、紗音を殺害した銃を紐で括って祭壇の後ろに置けば生み出せる。





 このトリックを成功させるには、マスターキーを発見者が放置し、かつ客間の鎧戸を閉めなければならない。
 つまり、蔵臼に協力してもらう必要があるのだ。
 だが、殺人には協力させたくはない。
 できるだけ共犯は少なくすべきだからだ。

 なら狂言殺人の協力者として協力させればいいだろう。
 蔵臼と夏妃は、使用人が死んだふりをしていると思い込んでいた。
 南條が検死を偽り、他の発見者たちを騙しているのだと。

 しかし、騙されているのは蔵臼たち。
 使用人は本当に死んでいたのだ。

 蔵臼夫妻が協力者になった経緯は、作中の記述にほぼ準じたものだろう。
 碑文を解いて黄金を見つけた。
 そして黄金の所有者であるベアトが、その黄金と引き換えに狂言殺人の協力させた。
 殺人まで協力させれば爆弾のことまで話さなくてはならないが、協力させるのは狂言殺人までなので、爆弾のことは話さなくてもいい。
 源次もそこに同席して、ベアトが黄金の所有者であることを保証すればダメ押しになるだろう。


 他にも協力者は必要。

 南條が狂言殺人に協力していたと仮定しよう。
 そうすると検死で使用人が本当に死んでいるのがばれてしまう。
 狂言殺人の協力者には、誰が犯人か容易に理解してしまうことだろう。
 だから、犯人は狂言殺人の協力者には、本当に使用人が死んでいることを隠さなくてはならない。
 よって、犯人は南條を狂言殺人に協力させていない。
 狂言殺人の協力者たちに、南條も協力していると嘘を吐いて騙せばそれで十分なのだ。


 第二の晩とその後の連鎖密室を考えれば、作中で描かれたように使用人たちも狂言殺人の協力者なのだろう。
 ただし、このトリックだと紗音と嘉音は同一人物ではないので、その辺は多少違う。

 紗音と嘉音を同一だと読者に思わせるために、探偵視点で紗音と嘉音を同時に姿を現さないようにしなければならない。
 作中で描かれたように第一の晩の後、先に夏妃と紗音がゲストハウスに逃げ込んで、蔵臼と嘉音は銃を取りに行ったため、後から遅れてくるというもの。
 先に入った紗音は、熊沢と使用人室に篭った。

 同一説ではこの後、紗音は使用人室を抜け出して蔵臼と合流することになるが、そうではないためそのまま使用人室に篭ったまま。

 第二の晩は作中の記述そのまま。
 ただし、男の使用人は蔵臼と共にいるので、嘉音はそこにいることになる。


 ちなみに、蔵臼夫妻についてはベアトが、使用人たちについては源次を介して協力を取り付ければいいので、金蔵本人の出番は必要ではない。
 このゲームでは、金蔵はゲームが始まる前に死んでいても成立するのではないかと思う。


 とりあえず以上で考察終わり。





 真実は見る者によって姿を変える。
 故に真実は並び立つ。

 しかし、これはベアトのゲーム。
 箱の中にはベアトの用意した真実しか存在しない。
 箱の中で並び立つ真実は、ベアトの用意した真実のみ。
 ベアトの用意した3つの真実。3つの物語。
 その内のどれを読んだのか。

 そして、ベアトはどの物語を読んで欲しかったのか。


 「我らの告白」はそれを明かしてしまっている。
 猫箱の中の生きた猫と死んだ猫の内どちらを選ぶのか、というのがベアトのゲームの根幹だった。
 魔女と人間のどちらが勝つのかという対戦。

 それが「我らの告白」では単なるクイズになってしまっている。
 解けるか解けないか、ただそれだけのクイズに。


 とは言え、連鎖密室はベアトのゲームでも屈指のトリック。
 それを踏まえた今回の連鎖密室もまた屈指の面白さ。
 ハウダニット、どうやって殺したのか。
 推理物の定番であるそれおを最も味わえる、ある意味おまけ的な蛇足だったと思う。


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  1. 2014/03/22(土) 22:26:53|
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フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

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