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うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


【キコニア】脳無しと魔法幻想

 聖櫃騎士団と思われる、フィーアが所属する秘密研究所。
 そこに新しくやってきた研究者が、頭頂部を切り取られ平らになっていた。
 おそらく脳を丸ごと切除されたのだと思われる。

 脳関連で脳工場と結び付けられがちだが、本当にそうなのだろうか?
 脳工場では脳に脊髄が付いていた。
 脳だけ抜き取られただろう研究者は、これとは異なる可能性がある。


 まず、私はA3Wを仮想現実だと考えている。
 そこにおける肉体はアバターに過ぎない。

 アバター側に脳がなくてもアバター動かせるよね。
 むしろ当然だよね。

 アバター側に脳がなくてはアバターを動かせないのは、仮想現実が現実と同等のルールによって縛られているからである。
 ルール上、そうであるに過ぎないのだ。

 だったら観測者を騙せば良い。
 脳があるという欺瞞情報を発信し、システム側を騙す。
 脳があると誤認定させれば、世界の方が脳があるように振舞ってくれる。
 実際には脳がないにも関わらず。

 これは即ち、「うみねこ」における幻想であり魔法。
 観測者を騙すことで、観測者に真実が異なる世界を生み出させる。
 真実と幻想が並び立つ猫箱の中の世界。

 真実が暴かれた時、研究者は動かなくなるわけだ。


 不死を研究してたヤツも同様だろう。
 すでに死んでいる者を、まだ死んでいないという欺瞞情報によって、生きているかのようにシステムを騙す。
 「うみねこ」風に言えば、実際には死んでいる者を、死んだふりをして生きていると思わせることで、まだ生きているという幻想を作り出すことができる。

 逆を言えば、実際には生きている者が死んでいるという欺瞞情報を流せば、亡霊として振舞うことができる。
 存在していないという欺瞞情報で、機械の目には映らないことも可能だろう。


 システムとは即ち世界。
 世界の目とは8MS。
 8MSを騙すことで世界を騙している。
 それが8MSによる環境変化。

 人類が散布している8MSは、言うなれば色眼鏡を搭載させたものだろう。
 それによって世界は自らの捻じ曲がった姿を視て、それを信じた結果魔法に掛かり、人類に都合の良い姿に変貌した。


 ガントレットナイトの能力も同様。
 観測者を、世界を騙し、幻想を真実として振舞わせることが出来る力。

 仮想世界A3Wは現実というルールに縛られている。
 だからそのルールに極力逆らわないことで、省エネで幻想を生み出すことができる。
 ヴァレンティナの〈エネルギー機動性理論〉はそれに沿ったもの。





 もうちょいうみねこ風に解釈してみようかな。


 キコニアでアバターの中にいる時は、うみねこではゲーム盤の駒として置かれている時。
 キコニアでアバターが死んで純粋な思考である聖霊に戻るのは、うみねこではゲーム盤で駒が取られて駒置き場に置かれること。
 つまり、ゲーム盤上で肉体が死んでも、別の形、魂で存在し続けているわけだ。
 ゲーム盤世界では、肉体=アバターとはその程度の物。

 肉体は魂を縛るもの。
 経験や記憶はそれに依る。
 その立場で知りえることしか知らず、知りえないことは知らない。
 例えば、A世界でのことはA世界での肉体の時しか知らず、B世界の肉体の時ではA世界のことは知りえない。
 肉体=情報フィルタであり、魂を制限する縛り。

 よって、魂が肉体より解放されるのは、色々な制限から解放されるということでもある。
 肉体というリミッターが外れた時、魂はどれほどの力を発揮するのか。


 さて、不死や脳無しは、一度駒置き場に置かれた駒がゲーム盤にもう一度復帰したといったものになるだろう。
 むろん、肉体=アバターに戻ったわけだから、その制限を受けるわけだけど。
 でもそのアバター、前のやつは真実の肉体だったけど、今は幻想の肉体なんだよね。
 制限付きとは言え、前の肉体より解放的ではあるだろう。

 前の肉体が大地だとすると、今の肉体は空を飛んでいる。
 真実と幻想の二重存在。
 ある意味パラレルプロセッサーに近いのだろう。
 一方の真実側は死んで停止しちゃってるけどね。
 思考が飛躍しやすい、文字通り空を飛んでいるんじゃなかろうか。
 さらには、肉体による疲労などに邪魔されずにずっと研究が続けられるしね。

 秘密研究所。
 そこは動く死者が犇めく、この世とあの世の境目。
 そこで研究に没頭している人間は、文字通り人間を止めているのだろうね。

 青い体のガントレットナイトは、言うなれば幻想体。
 真実の肉体が死に駒置き場に送られた聖霊が、ゲーム盤に再び降り立つための代替の体なのだろう。
 まず生体ではないので、耐G性能は大幅アップ。
 多少の致命傷を負っても活動可能だろうし。
 アバターを破壊されても、また代替の体を造れば復活可能だし。
 他にも色々改造されてそう。
 魔法、世界を騙す力も十全に理解して使ってくるだろう。

 うみねこでも幻想に飲まれたニンゲンは魔法を使ってくるしな。
 あれも本体はすでに死んでいるからそう扱うことができるわけだし。



 あとマリオの自裁に使われた叡智だけど、あれは人の真実の姿を取り戻させるものなんじゃないかな。
 マリオも世界を騙して生き永らえていた。
 だから尊厳を取り戻して塵に戻った。

 マリオが翻訳して作成した装置は、地球の真実の姿を取り戻させるもの。
 地殻が動いたのも、動かしたのではなく、元の位置に戻っているだけ。
 自分の本当の姿を思い出した地球が、本来の姿に戻ろうとしているだけ。

 思うにその後の自動ドローンによる虐殺は、それの辻褄合わせなのではないかと。
 本来なら地球は瀕死の姿であり、幻想によって人類の過ごしやすい姿になっていた。
 つまり、真実の地球の人口と、幻想の地球の人口には差が生じる。
 その人口の辻褄を合わせるために、本来の人口まで数を減らした。
 その可能性があるんだよね。

 世界は余さず幻想に塗り潰されている。
 地球の環境は真実を取り戻したけど、人口はまだ幻想のまま。
 よって、明らかにされた真実に合わせて幻想も変動する。
 それが物語の、世界の辻褄合わせ。

 例えば、赤き真実で“〇年〇月〇日の人口は××です”とあったら、それに合わせて幻想側も人口を調節しなければならない。
 その過程は問わず。
 そしてその“過程”が“黙示録”で修飾されたわけだ。
 つまり、真実では環境に耐えられず死んでいたのだけど、幻想ではドローンによって殺されたことになる。
 また、真実では生まれるはずのなかった命もたくさんあるはずだし。

 まだまだ世界は幻想に塗れているわけだ。


 神の叡智を翻訳した結果が、各種幻想を生み出し誤認識させること。
 またはその逆も可能。
 とすると、大元の神の叡智もその類。
 まぁ、独りぼっちの真っ白な部屋で神が使った魔法は、“自分は一人ではない、みんないる”で、それで世界を生み出したんだからね。
 仕方ないね。

 幻想の上に幻想を塗り重ねて行った果ての世界。
 幾多の幻想を、数多のニンゲンを生み出し続けた。
 全てを剥ぎ取れば、真っ白な部屋に独りぼっち。
 やはりそこまでやってしまえばハッピーエンドじゃなくなるな。

 真実という下地を剥き出しにしつつ、それでいて“みんな”という幻想を保つ。
 そのラインの先にハッピーエンドはある。
 平和の壁を双方から支えなくてはな。


 で、終末時計が頂点を指した時にマリオの装置が起動したということは、あれが世界の終わりの始まりだったわけなんだよな。
 何の世界が終わったかと言えば、ま、幻想世界が、だよね。
 後は虚飾が剥がれ落ちていくだけ。

 ゲーム盤を覆っていた幻想を剥ぎ取り、展開されていた駒を回収し、ゲーム盤を真っ新な状態に戻す。
 つまりこれはゲーム盤のお片付け。
 次のゲームが開かれるまで、駒は収納ケースでお休み。
 幻想に満たされていた部屋は、何もない真っ白なものに戻る。
 それが世界の真実の姿だから。

 真実は真っ白な部屋。
 その上に地球の幻想が塗られ、さらにその上に人間に都合の良い地球の幻想が塗られていた。

 さて、世界が元の姿に戻った時、部屋に残った人間は一体何人なのか?
 これがキコニアの最大の問いだと私は考える。


 色即是空。
 仮想現実(色)とは、即ち何もない「空」。
 諸法無我。
 全てのものは因縁によって生じたものであって実体性がない。
 無我あるいは非我とは、真我ではないもの。
 我(アートマン)とは、永遠に変化せず、独立的な所有主として、支配能力があると考えられる実存を意味する。(by Wikipedia)

 仮想現実の上に成り立つものは全て実体がない。
 仮想現実において実体のある存在は現実上の存在だけ。
 仮想現実という諸法無我の世界において、永遠に変化せず、独立的な所有主として、支配能力がある実存、即ち真我とは、仮想世界の神であるミャオのことを指す。
 それ以外の人類は全て、実体性のない無我。
 唯一の例外は外の現実からの来訪者たるジェイデンだけ。

 幻想の人間の“我”も幻想なのか。
 夢だからとなかったことにするのか、それとも夢だとしてもあったことにするのか。
 実体性がないから存在しないのではない。
 実体性のないものも因縁によって生じる。
 因縁とは内因と外縁。
 内因と外縁によって結果は生じる。

 真っ白な部屋に残る人数。
 私が出した答えは、三人。
 ミャオ(内因)とジェイデン(外縁)、そして都雄(結果)。

 環境が人を作り、関係性が人を繋ぎとめるのなら、関係を続ける限りその存在は消えはしない。
 そういうことじゃないかな、と私は思う。
 

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フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

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