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うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


【キコニア】神のプログラムのバグ/デコイの獣

 本日一投目。


 A3Wの人類には、100%の同意を拒否する、神のプログラムが組み込まれている。
 これは永遠の孤独、永遠の退屈を嫌った神が、多様な物語を生み出すために組み込んだのだろう。

 だがこれは、そのままでは人類が一つにまとまらないことを示している。
 文明の終端にてルームA3Wをリセットする上で、これが妨げとなってしまう。

 人類が自ら進んでマジョリティとなるように仕向けるには、デコイ、幻想が必要。
 すでにマイノリティを担う者がいて、さらには社会一般的な価値観から嫌悪されるような要素や演出が加味されていればなお完璧だとか。

 それが大淫婦バビロン。
 全ての元凶という“設定”の人物。
 自分たちが悪いのではない、そいつが、世界が悪いのだ。

 これで神の子は人類をまとめられる。
 人類を救済できる。
 めでたし、めでたし。



 では終わらんな。
 世界=神であるなら、その“役”を担うのは堕ちた「父」である「龍」ミャオ=ジェストレスである。
 これをジェストレスを救いたい藤治郎がそのままにしておくだろうか。

 藤治郎のウィステリア騎士団は、情報を操作し、実際には存在しない人間をデコイにする力を持つ。
 つまり、ミャオ=ジェストレスである必要はないのである。
 代わりとなるデコイを用意すればいい。


 藤治郎の役は“偽預言者”。
 “偽預言者”は人々に“獣”を崇めさせる。
 人々に付けられる獣の印がセルコンだとすると、“獣”はケロポヨ。

 ケロポヨはフィルタとして、人々の暴言を遮断し、代わりに受け止める役割を果たしている。
 ならば人々の代わりに投げられた石を受け止める“役”に相応しい。
 「人々が争ったのはケロポヨが情報操作したせいである」なんて感じにね。

 肉体に由来する欲望や記憶をプログラムであるケロポヨに担わせ人類より切り離す。
 そのプログラムが集合し自我を得る。
 これで人類の全ての罪を背負った“獣”の完成。

 “龍”は“獣”に自らの力と地位を与えた。
 これは“龍”ジェストレスがやる“役”を、“獣”ケロポヨが代わりに引き受けたということなのかも。



 そして、藤治郎が仕える団長で、ケロポヨの主がセシャト。
 前回の“獣”の記憶と権能を引き継いでいる。
 彼女のプロメテウス騎士団は、第九最上騎士団より分かれた。

 第九最上騎士団は、天界の第九層に所属する熾天使たち。
 神に聖所の柱として列せられた、厳選された主人公、猫の魔王たち。
 即ち、各陣営の代表するガントレットナイトたちの聖霊。
 だと思われる。
 団長は神の子都雄で、神に仕えている。
 それが本来の姿。

 が、それはもはやバベルの如く崩れている。
 メンバーは全員、魂をアバター、肉体に封じられ、記憶をなくし人として生きている。
 そして神の人格である“父”ミャオが地に堕ちた。

 “父”ミャオは、“子”都雄を神のスポット人格とするために、“子”を救世主として人類の魂を一つにまとめ上げる計画を立て、自身はそれを阻害する人類の罪を引き受け討たれる“龍”とした。
 その際、第九最上騎士団は神の子と共に人類を救済し、神の魂の秩序を神の子を中心として回復する。


 三人の王、スリーパーソンに所属する第九最上騎士団は、天にあるそれの模倣。
 模造品。
 仕える神の人格である“父”はミャオであり、地の底に座するというヒント。

 神の人格である“父”が地の底という反転の構図から、逆側の天にいる“子”の方が反逆者。
 “父”を討ち神の座を簒奪する側。
 しかし、これは“父”が描いたもので、“子”の本意ではない。


 さて、プロメテウス騎士団は、天にある第九最上騎士団から分かれた兄弟。
 どちらも全ての人類を神の御許に集め、神の脳内世界を救済することを目的としている。
 問題は神が“父”と“子”の二つに分かれているということ。
 神の計画通り、“子”都雄を中心にまとめようとしているのが第九最上騎士団。
 “父”ミャオも含めてまとめようとしているのがプロメテウス騎士団。
 だと思う。

 プロメテウス騎士団の目的は、神の計画に相乗りしつつ、最終的に裏をかき“父”も救済すること。





 グダグダしてきたからちょっとまとめよう。

 神の計画は、神の人格である“父”が人類の苦しみの元である罪を全て背負い打ち倒されることで、人類を救済し、神の子が人格/魂をまとめ上げスポット人格とすること。
 この際、神の子と共に働くのが第九最上騎士団。

 この第九最上騎士団からプロメテウス騎士団が別れている。
 この時点で神の計画から外れてきていることが解る。


 考えられるのは外部要因たるジェイデン。
 およびその記憶を受け継ぐ藤治郎。

 人類の人格、思考が天界で“子”の許にまとまるなら、人類の罪、記憶は忘却の深淵で“父”の許にまとまるはず。
 神の脳内世界に入り込んだジェイデンもまた、その際に思考と記憶に別たれるはず。
 さらには、ジェイデンの記憶は神にとって他人の物だから、一つにまとまらず別にあり続けるはず。
 その廃棄された記憶は、人類が地の底つまり忘却の深淵から霊素を汲み上げた際に地上に出ることができた。
 そのアバターが藤治郎だと私は考えている。

 つまり、一度終末を体験しているわけだ。
 そして肉眼を使った撮影は、自分の目で情報を確かめるという信念を表しているのだろう。
 これは藤治郎がプレイヤーたろうとしていることを示しているのだろう。


 ジェイデンおよび藤治郎の影響を考えてみる。

 心の天秤を見てみよう。
 片方の皿は“父”、もう片方の皿は“子”。
 そこに全人類、即ち聖霊たちの意見を載せる。
 これは神の心を表している。

 神の計画は、全人類の票を“子”に集めるというもの。
 これは神の心が極端に自己否定に傾いていることを示している。
 自己否定による自己の消滅。
 これを覆すには、自己肯定の票を増やさなくてはならない。

 これをしているのがジェイデンであり藤治郎。
 ミャオおよびジェストレスとコミュニケーションをとり、存在を肯定する。
 それで気持ちが少しでも上向けば、心の天秤が揺れる。
 そうすれば、人類の中から“父”を救おうという意見が現れる。
 それがセシャトであり、フィーアであり、マリオ。

 この成果は外部要因たるジェイデンおよび藤治郎の働きのお陰だと思うのだよね。
 ミャオの存在を見つけ、今では都雄と右半身と左半身に分かれて喧嘩する姿を見せている。
 見つけてなかったら、姿を隠したまま消え去ろうとしていたのだから。
 これは改善に向かっていると言える。

 ミャオは消える決意をしているが、未練が残っているということなのだろうね。
 そうなると、ジェイデンに見つけてもらったのは、見つけてもらいに来たのかもしれないな。
 つまり、前回の世界での出会いの再現。
 前回の世界のジェイデン、藤治郎もミャオを見つけていたのだろうし。
 その記憶をミャオも持っているだろうし。

 そう考えると、未練を喚起し、存在を肯定して行動を表に出させてるまでになったのだから、順調と言える。


 で、藤治郎のさらなる一手が、デコイの“獣”ケロポヨ。
 神の見立てている“聖イオアンニスの黙示録”に沿っているのであれば、代行するのは可能だろう。
 三人の王たちがそんな感じでやってるし。
 藤治郎は何らかの形でケロポヨ制作に係わってるのだろうな。

 存在しない人間が罪を背負うことで、“父”ミャオも含め全人類は一つとなることが可能となる。
 神のプログラムのバグを利用した良い一手だ。

 神の総体の内、穢れのない純粋な思考は“子”の許にひとつにまとまり、穢れや罪の記憶は“父”の代わりにデコイの“獣”が担ってまとめる。
 この“獣”は神の力の半分を担う。
 つまり、神の子の許に集う熾天使たち、第九最上騎士団と同等の力を持つ。
 ま、要するに、反転した第九最上騎士団なわけだからね。
 これがプロメテウス騎士団。
 つまり、前回のデコイの“獣”ケロポヨが、今のセシャトではないかということだね。

 さてこれで罪は人類より分離され、“父”も“聖霊”と一つになれる状態になった。
 後は自己肯定に票を投じた者たちの魂を“父”に捧げ一つになるだけ。

 これでミャオは安心して千年を眠ることなんでできなくなるだろう。
 神の子の許に人類が一つ、というのが崩れてしまったのだから。
 さらには、自己肯定の心を叩きこまれ、繋いでくれた手を振り払うことはできはしないだろうしね。

 それに背後の皆に応援されたら力が湧いてくるだろう。
 そういう物語を好んで紡いでいたんだから。
 神の子という物語をね。

 設定的にも、ガントレットナイトはバックアップがないと戦えない。
 背後の聖霊はまさしくそのバックアップを担っている。
 前線で戦っている者が一番偉い。
 でも、そこで戦っている者を背後で支える者も、共に戦っているのは間違いない。
 これは心の総力戦なのだから。

 確かに神の子は最も輝ける者だ。
 神が憧れて生み出した理想の主人公なのだから。
 でもそこは神の心の中。
 みんなその心の一員。
 神を助けないわけがない。

 アイドルとは偶像。
 偶像とは神を象ったもの。
 即ち、神とはみんなのアイドル。
 神の心の中で最も輝く者は、神その人。
 神の物語の主人公は神なのだ。

 だから憧れた理想そのものであろうとも伍することができる。



 パーフェクトだ、藤治郎。
 神の心に逆らわず、それに寄り添った見事な計画じゃあないか。
 これは期待できるぞ。

 ルールに則り、ルールの隙を衝く。
 絶対の運命を作るほどの強固な意志だとて、それが人の心が生み出したものであるならば、必ずや隙があるはずだ。

 それが未練。
 自分のことを認めて欲しい。自分の物語を読んで欲しい。自分の物語の主人公でありたい。
 そのためにゲームを開催している。
 だからこそ、読み解いて欲しいと言わんばかりに隙を作ってしまう。
 表向き自分の物語を“子”の物語で塗り潰さんとしていてもね。
 そう、諦めきれないから執筆者は何度もゲームを開催するのだ。

 ジェストレスが配下の騎士団に第九最上騎士団と命名したのも、自分はここにいるというアピール。
 三人の王も、逆位置の三位一体のシンボルも同様。
 そのシンボルを象ったバイザーもそう。
 全てアピール。

 藤治郎はそれに気付いた。
 だからそこにいる。

 だがそれでもなお試さずにはいられないのだ。
 謎が解けたかどうかを。
 ホント、ツンデレだよね。
 可愛いほどにさ。


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  1. 2020/02/08(土) 19:42:29|
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フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

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