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うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


私は、だぁれ……?

 誰かが信じる幻想の中にしか存在できないのに、その幻想を暴いて欲しいと願う。
 それが端的に表れたのは、第6のゲームでの夜の屋敷の悪戯だ。

『深夜。戸締りの確認をして回る使用人たちの後を付け、彼らがちゃんと施錠したはずの鍵を、開けて回っているのだ。』

『……本来、この島に我らはいない。さらに言おう。“今、この廊下には、誰もいないのだ”。なのに、こうして鍵が開き、……窓が、開く。』


 誰もいないのに、そこに誰かが存在していたという証。

 “魔女”を信じて欲しいと言っているのか、“誰か”を信じて欲しいと言っているのか。

 皆が信じなければ“魔女”は存在できない。
 そういう虚構の存在なのだ、とは第1のゲームの戦人の言。
 ならば、ニンゲンである“誰か”も皆が信じなければ存在できない。
 そんな虚構の存在だとでも言うのだろうか。

 悪魔の証明。魔女の証明。人間の証明。
 姿を現さずとも、謎を問い掛けた“誰か”は確かに存在するのだ。


『私は、だぁれ……?』


 全てはそこに集約される。


右代宮戦人。今から私が、あなたを殺します。
 そしてたった今。この島にはあなた以外誰もいません。この島で生きているのは、あなただけです。島の外の存在は一切干渉できません。
 この島にあなたはたった一人。そしてもちろん、私はあなたではない。なのに私は今、ここにいて、これからあなたを殺します。


「犯行が可能な人間がいないのであれば、“私”は人間ではない。爆弾である」
 だがこれは「黄金の真実」だ。
 出題編最後の問いは、ベアトの心臓について。
 戦人に殺してと“約束”を交わしてまで解いて欲しいもの。
 それは犯人の正体であり、犯人の動機だ。

『幻は、幻に。……約束された死神は、魔女の意思を問わずに、物語に幕を下ろす。』

 魔女の意志を問う問い掛けに、魔女の意志を問わずと返すのは如何なものか。
 “土は、土に”なら真実。“幻は、幻に”なら虚構。真実と虚構を斬って分ける。
 『幻は、幻に。』即ち、『約束された死神は、魔女の意思を問わずに、物語に幕を下ろす』は虚構である。
 黄金の真実である。


 ここからはヘンペルのカラスの出番。
 「犯行が可能な人間がいないのであれば、“私”は人間ではない」の対偶は「“私”が人間であるならば、犯行が可能な人間が誰かいる」。

 さらに行こう。
 「犯人が存在する人間であれば、犯行は不可能」であるなら、その対偶は「犯行可能ならば、犯人は存在する人間ではない」

 よって、“私”は「存在しない人間」である。
 「存在しない」ことが即ち犯行が不可能である、とは限らない。


戦人『俺の6年前に、ベアトリーチェなどという人物は存在しないのだ。

 ベアトリーチェという人物は「存在しない」。
 ただの「6年前」ではなく、「“戦人の”6年前」に。
 ベアトリーチェという人物は、“戦人の認識する世界”には存在しない。
 知らないのならば、それは「存在しない」ことと同義だからだ。
 戦人が知っているのは、ベアトリーチェという名の“魔女”の話だけなのだ。

 認識上の他にも、
 例えば、『名』と『体』が一致しない場合、その『名』の本来の人物が死亡しているなら、その『名』の人物は『存在しない』にも関わらず、その『名』を名乗る『体』は存在することになる。
 あるいは、『体』が生きているにも関わらず、『体』本来の『名』が死亡したと誤認されそれが受理されたままゲームが開始された場合、その『名』の人物は『存在しない』にも関わらず、『体』は生きていることになる。
 どちらの場合であろうと、『体』が持つ『名』の内、『存在しない名』を持つ人間は『存在しない』というカテゴリに分けられる可能性がある。

この島には18人以上の人間は存在しない!!以上とはつまり18人目を含めるぞ。つまり、18人目のXは存在しないッ!! これは全ゲームに共通することである!!!

 18人以上の人間は存在しない。
 つまり、18人目より上の人間は、『存在しない』と定義される人間である。
 故に、犯行可能な『存在しない』18人目のXこそが、この事件の真犯人である。


右代宮戦人。今から私が、あなたを殺します。
 そしてたった今。この島にはあなた以外誰もいません。この島で生きているのは、あなただけです。島の外の存在は一切干渉できません。
 この島にあなたはたった一人。そしてもちろん、私はあなたではない。なのに私は今、ここにいて、これからあなたを殺します。

『私は、だぁれ……?』

 いないのに、ここにいる“私”は、だぁれ……?
 これはフーダニットというより、ホワイダニットであるように思う。



 私には、誰にも見つけてもらえなくて泣いている“誰か”の姿が視える。


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  1. 2014/01/12(日) 01:20:05|
  2. ベアトの心臓
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フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

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