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うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


【キコニア】P3値と8MSと神と獣と神の子、全部捻じ伏せる

 クリスマスプレゼント第二弾!

 バケウソのネタバレがあるので注意!

 捻じ伏せてやんぜ!
 今こそ唸れ私のイマジネーション!
 これだけ道具が揃えばキコニアといえども一h……一万捻りじゃい!






















 バケウソから『脳だけになるとは、例えるなら真っ白な部屋に一人っきりで永遠に閉じ込められるという状態』であるとの知見を得た。
 今回はそれを使って考察しようと思う。



 全人類が脳だけとなり、それらを超巨大サーバーに繋げて、みんな揃って仮想現実の中で暮らしている。
 もしそうであるならば、その実態は人類全員が真っ白な部屋に一人ずつ閉じ込められていることになる。
 人はその部屋を妄想で満たす、つまり仮想現実を生み出すことができる。
 しかし、現実>妄想でしかないなら、決して満たされることはなく、そして退屈に精神を殺される。
 その環境に適応できなかった精神はやがて死滅し、巨大サーバーに無人の部屋が増えていくことになるだろう。
 その対抗策が、仮想現実を本物の現実だと思い込ませることであり、他の部屋とネットを介して繋がることであり、記憶を消すこと。
 常に現実だと実感し、他者と繋がり、嫌な記憶を消さなくては精神が保てない。
 それが人間というものだろう。
 多分、精神を守るフィルタを切ったら、精神が壊れる者が続出するんじゃないかな。

 で、その内、その部屋に自分以外の人間を生み出す者が現れた。
 一つの部屋に複数人で住んでいるパラレルプロセッサーだ。
 それは正しく環境に適応した新人類と言えるだろう。
 彼らは高いP3値によって、真っ白な部屋を現実に等しい妄想で満たすことができる。

 パラレルプロセッシングパワー。
 それはどれだけ思考の並列作業できるのかという値。
 ガントレットナイト同士の戦いは、その力で“絶対の執行を約束する、先取された百億の未来の先行体験”を演算し、それを相手に押し付け合うもの。
 それで相手のそれより上回った方が勝つ。
 簡単に言えば、妄想を実現する力。

 つまり、P3値が高ければ高いほど「妄想=現実」に近づき、さらには多様な妄想ができ、精神の寿命を延ばすことが可能なのだ。


 ではP3値が最も高い存在とは何か。
 それは全人類の脳と繋がった超巨大サーバーを管理する“神”だろう。
 理論上のスペックは、全人類の脳を並列使用したものなのだろうから。
 即ち、“八百万を束ねて超える”。

 八百万、即ち、8MS。
 “神”は全人類の脳による並列思考によって、仮想現実“A3W”を稼働させている。
 それは8MSが仮想現実を作っているということ。
 だから8MSには仮想現実を改変する力があるのだろう。





 さらに考えを進める。

 “神”と繋がった脳の中には、無人の部屋も多く含まれると思われる。
 死者の部屋。
 死者が使用するはずだった空き容量。
 さらには捨てられた記憶が占める容量。
 それらが霊素だとすると。
 それを使用し続ければ、データの細断化、塵データの蓄積、容量の圧迫。
 それらによる処理速度の低下を招くことになる。

 その対処法は処理を軽くすること。
 例えば、遠方の描画数を減らすとか。
 それが霊素の使い過ぎで霧が~の正体なのではないかと。

 災害を引き起こすごとに処理落ちし、終にはサーバーが落ちる。
 そして初期化。
 これがワールドリセット。文明の終端。

 三人の王たちはそれを回避するために、人類を間引き文明の寿命を引き延ばそうとしている。

 そして、ヨハネの黙示録における「新しいエルサレム」が、保存用ドライブみたいなものなのじゃないかな。
 それは“神”の部屋で、そこに入れた人は“神”と共に居ることを許される。
 人類を間引いて軽量化を図り、環境に適応し永遠を耐え得る者を選別し、脳工場より始まった天国創造を完成させる。
 それが“神”の計画ではないかと。


“勝利を得る者を、わたしの神の聖所における柱にしよう。彼は決して二度と外へ出ることはない。そして彼の上に、わたしの神の御名と、わたしの神の都、すなわち、天とわたしの神のみもとから下ってくる新しいエルサレムの名と、わたしの新しい名とを、書きつけよう。”
                   ――ヨハネの黙示録3:12、新共同訳聖書

 都で一番の英雄で、都雄。
 都とは“新しいエルサレム”のことで、決して諦めないことで“勝利を得る者”となり、“神”の部屋の“柱”となり、決して二度と外へ出ることはない。
 こういう意味だとすると。

 プレイヤーである“神”は、自らの部屋に対等のプレイヤーを生み出し住まわせるために、駒よりプレイヤーに昇格する者を作り出すことを計画した。
 決して勝利を諦めない者、自らの運命を自ら決める者。
 それがプレイヤーの条件。
 自らの運命を神に委ねる者は駒である。

 これは要するに、執筆者によるヤスと共に“巣”に引きこもる計画。
 人に成ることを諦め、バケモノとして生きるルート。

 でもこれは、人に成ることを諦めることができなかったので、破綻が約束されている。
 
 次に計画されたのは、「ひぐらし」でのババ抜きによるヤスを人の輪に加える計画。
 これは執筆者自身も人の輪に入りたいという願いのため計画修正。

 それからどちらが人に成るかで実際に決闘するのが「うみねこ」。

 その次の「キコニア」は人に成る、人として生まれる話になると思われる。
 生まれる可能性があるのは二人なので二つの解釈が重なり合っているはず。

 一つは、親の願いを子に託す、子による親殺し神殺しルート。
 もう一つは、神が人間として生まれるルート。

 前者のルートは大体想像できるけど。後者のルートがなあ。
 一応考えていることはあるので、それはまた後で。


 どちらにせよ、都雄は人間として生まれ落ちる権利を勝ち取るという運命を与えられているはず。
 その都雄に対してあの青い都雄が言うわけだ。
 「早く君が消えないと、みんなが消えていくよ?」と。

 人に成るということは、“バケモノの巣”を出るということ。
 “バケモノの巣”とは“ゲーム盤”、即ち頭の中の妄想の世界。
 仮想の現実。
 “みんな”は妄想の中の住人。
 人間を模倣する駒。、
 現実を生きるということは、妄想を棄てるということ。
 だから、現実に生きようとする“君”が消えれば、“みんな”は消えずに済む。
 自らの力で運命を切り開くことを諦め、運命を神に委ねて生きれば良いのだ、と。

 だとすると出すべき結論は一つ。

 仮想現実が消え去っても、“みんな”は消えたりしない。
 環境が人を作る。
 “みんな”がいたから今の“自分”がある。
 “自分”がいること、それが“みんな”の存在証明となる。
 絆が繋ぐから、“自分”の中に“皆”はいる。

 これだろ?
 そして実際、青い都雄はこれを期待しているから、これを引き出すためにそういう振る舞いをわざとしたのだろう?





 とりあえず、話を戻して。

 脳=一人きりの真っ白い部屋、P3値=妄想を現実に実現させる強さで考えると、大雑把だけど色々と説明付くんだよね。

 その流れでケロポヨを考察する。
 あれは脳内にインストールされる。
 つまり、真っ白な部屋の居候なのではなかろうか。
 たぶんこれは部屋の主の精神の安定を目的としている。
 消えることを拒否し、主の思い通りにならない他者。
 これにより疑似的にパラレルプロセッサーにする。
 そういう計画の元に制作されているのではなかろうか。

 さらに、全人類の脳に寄生しているなら、総体として“神”に次ぐP3値を持っているのでは?
 ケロポヨ黙示録の獣説を推してみる。

 ケロポヨの主と思われるのが“奥様”。
 それが都雄の母、即ち“聖母”にあたるフィーアであるなら。
 その若き日の姿がジェストレスこと“サタンである龍”。
 その“龍”の手下が“獣”。
 “龍”は自分の力と位と権威を“獣”に与える。

 その“獣”がケロポヨで、神に次ぐP3値を持つなら、“龍”とは“神”である?
 “神の子”は文字通り“神”の“子”。
 “聖母”は一人で“神の子”を産んだ。
 即ち、“神”=“聖母”という図式もあり得る。

 “私の可愛い都雄”と呼ぶ者が“神”であるなら。
 その正体は、脳を取り出す工場にいた“妹”。
 あれが後に“神”になる。
 そんなルートを想像してみる。



 全人類の脳、八百万における人の意識がもし絶滅していたら?
 “妹”が八百万の白い部屋にただ一人生き残ったのなら。
 それは八百万の脳を統べる“神”であると言えるだろう。

 “妹”は真っ白な部屋を、妄想=現実で満たすことが可能なバケモノだった。
 八百万の部屋にただ一人残された“妹”がすること。
 それは空いた部屋に“人”を満たすこと。

 “人”即ち“人を模倣する駒”。
 現実を模倣した“仮想世界”で“人を模倣する駒”が増える。
 人として暮らし、人を育てる。
 そうして世代を経るごとに人に近づく。
 それは環境が人を作るから。
 それに、人の脳を使って人を模倣した思考をさせているのだから、いつかは人になるだろう。

 だが八百万の脳には“人”を養える限界量が存在する。
 それを超えればシステムダウン、文明の終端。
 八百万の脳の実際の数はわからないが、文字通りの数だとすると、その数で数十億を賄うのは相当きついことだろう。
 だから間引きが必要。

 さらに言えば、真っ白な部屋という環境に適応できなければ長く生きられないのだから、生き残る若者はP3値が高ければ高いほど良い。
 そのためには、子供を多く作り、P3値を高める教育をし、競争させる必要がある。
 適者生存による生存競争。
 できるだけ長く生き残り、そしてできるだけ多くの“人”が生き残るように。
 だから間引きが必要なのに、子供を大量に作っている。
 多分、これがどの陣営にも共通する事情じゃないかな。

 三人の王側は、文明の終端に至るまでに間引き文明の寿命を引き延ばそうとしており。
 “神”側は、真っ白な部屋の永遠に完全適応する者だけ選別して残す方針。

 永遠に耐え得る者たちを“神”の部屋に迎え入れて、その者たちと永遠に過ごす。
 永遠の孤独はそうでなければ癒されない。
 それが本来の“神の計画”。
 名付けて、“子”と一緒に脳内に引きこもる作戦。
 八百万の脳力をフルに使って演算されたそれは実現の約束された先行体験。

 が、“子”を作ったらこれが可愛いのなんの。
 『私の可愛い可愛い都雄』になってしまった。
 ちゃんと人間として現実に産んであげなくては、と決意した。
 名付けて、可愛い都雄楽園追放計画。

 そんなわけで“神の計画”は破棄。
 正確には“神”の手を離れ、“代行者”によって引き継がれている、といった感じかな。

 “神”は自身の記憶を引き継ぐ駒を作った。
 それが“聖母”。
 あるいは“聖母”はアバターで、“神”の意識は常にそこにあるのかもしれない。


 いやいや、まてまて。
 “聖母”が“神の計画”を引き継ぐ“代行者”で、“龍”が“神”のアバターで自らの“神の計画”に反旗を翻している可能性があるのでは?


 “聖母”は“神の子”を産むという役割を持った“駒”でありアバター。
 その“役割”を果たした“聖母”は、“神”の手から離れ、駒であることを止め自分の運命を自分で決めることにした。
 それが“代行者”として“神の計画”を引き継ぐこと。
 その“計画”を“子”の踏み台として、“子”が現実世界に人として生まれることを願っている。
 母という役割を代行させたことで、母性に目覚めたのではないかと。


 “聖母”に反旗を翻されたと思った“神”は、“聖母”の若き姿である“龍”をアバターとして使っている。
 そして“聖母”を討とうとしているのではないかな。

 “神”の最終的な目的は、“子”である都雄と共に人間に成ること。
 その為には都雄と共に在らねばならない。
 つまり、“神”の正体はミャオ。

 “神”は脳工場の“妹”であり、家族と共にいられることを願っていた。
 そして、ミャオは妹で都雄は兄という関係。
 兄であり子である都雄と共に人と成る。
 それが今の“神”の計画。

 だから今、神の座は空席。
 よってA3Wは今、糸の切れた舞台装置となっている。
 プレイヤーは“神”ことミャオと“代行者”のフィーア。
 その舞台装置上では、昔の神の計画と今の神の計画がぶつかり合うことになるのだろう。
 “聖母”側である青い都雄の言い分は、『“神”が仮想世界から出ていけば仮想世界に住む“みんな”が消える、だから“神”が現実に脱出できるカギである都雄が消えるか、“神の計画”を阻止しようとする“神”のアバターである“龍”ジェストレスを殺せ』というもの。
 “龍”側の言い分は、『脳工場から始まった天国創造計画が、“神の計画”による魂の永遠の保存によって、真っ白な部屋に永遠に閉じ込められるという地獄が完成に至ってしまうから、それを阻止するために“神の計画”を代行する“聖母”を打倒しなければならない』というもの。
 でも実際は、最終的に同じ目標に向かっていると。

 “神”の楽園を追放される“人間”は二人。
 アダムとイブは、都雄とミャオなのか?


 ……そして。
 空いた神の座を“聖母”が埋めて、“神の子”の座を青い都雄が埋める。
 全ては都雄とミャオを楽園より追放して、人間として生きてもらうため。
 そのために自分たちを犠牲の羊とした。
 その二つの席が神の国を支える柱だから。

 嗚呼、つまり……。
 都雄とミャオにプレイヤーの席を与えない、ということなのか。

 これは、八百万の真っ白な部屋に一人取り残された年老いた神を、生み出された駒たちがどうにか助けようとする話。
 つまり、生れ出る子に願いを託す話であると同時に、年老いた親に孝行する話でもあるんだな。
 まとめれば、老人と若者の話。
 苦労するのはその中間ってね。

 そして、神の座を目指す“聖母”の駒に鷹野三四を配役する。
 痺れるぜ……。
 絶対の意志が、奇跡も神も打ち破る。
 今回の脚本は破り捨てる! 愉快痛快の超パーだ!
 こりゃラムダデルタ卿を崇めるしかねぇ!





 だ~、疲れた。
 脳みそフル回転させちまったぜ。
 これも全てバケウソのせいだ。
 母としての執筆者とそれ以外の執筆者で別の駒として置かれているというのは、めっちゃヒントになった、ありがとうマダム!
 これでキコニアの概要は説明し切ったんじゃないか。
 捻じ伏せてやったぜ。


 他の駒たち?
 もういいじゃん。主要な駒だけでいいじゃん。
 勘弁してくれ疲れた。
 完全燃焼した気分なんだよー。
 次の記事が書けるのはだいぶ先になると思う。


 ジェイデン?
 あれは戦人枠でしょ、それもバケウソの婚約者殿と同様の役割を持たされた。
 自分を救ってくれる夢の中の理想の王子。
 所詮、自分を慰めるための夢に過ぎない。
 理想の王子は現実にいなくては何の意味もないのだから。
 つまり、ジェイデンが振られるのは約束された運命なんだよ。
 王子がいるなら現実世界にだって。
 大丈夫、大丈夫、ジェイデンはミャオの昔の男として頭の中で生き続けるから。
 あるいは、ジェイデンも一緒に現実に生まれるルートもあるかも。

 ……いや、まてよ。
 八百万の脳の外に現実が広がっていて、そこにもし人の社会が存在していたのなら。
(バケウソのバケモノの巣の外に人間社会があるという構図、それに当て嵌めるなら外に人間社会があるはず。)
 外側から八百万の脳にアクセスして仮想世界A3Wに潜っている人間がいる可能性があるかも?
 八百万の巨大サーバーに囚われた人間を救出するという名目で。
 そしてそれがジェイデンで、アクセスした際ワールドリセットに巻き込まれて記憶が消え、A3Wに生まれたと信じ切っている可能性が微レ存?
 だとすると、現実の人間なのに神の部屋に閉じ込められてでも一緒に居ようと?
 漢じゃねえか!
 でもそれは二重の意味で殺し文句だ。
 真っ白な部屋に永遠に閉じ込められるという地獄まででも一緒というプロポーズであり。
 バケモノの巣でバケモノとして生きるために人間として死ぬ、ということ。
 これが「うみねこ」だったら真実は幻想の中に秘めてしまうので、『一緒に幻想の中までついてくぜ、忘却の深淵に消えるまで永遠にな』とか言えるんだけど。
 これは「キコニア」だからな。

 もう少し考えよう。

 八百万に繋がれた脳は疲弊しているだろうから、外から来たジェイデンの脳の脳力は相対的に高いのかも。
 それにそもそも本物の人間と、それに近づこうと模倣する“人”とでは意志力の差があるだろうしな。
 ガントレットナイトがパラレルプロセッサーだらけなのは、それが環境に適応したエリートだから。
 その中にいる非パラレルプロセッサー、それがジェイデン。
 これは一応、外から来た根拠にはなるな。

 異邦人ジェイデンは一人ぼっち。
 本物の人間はジェイデンしかいないから。
 その唯一の例外がミャオ。それと都雄も異なる意味で例外。
 だとすると、惹かれ合うべくして惹かれ合ったと言える。
 うん、ジェイデン、お前こそが本物の王子だ。(テノヒラクルー)
 頑張れよ!
 お前は私たち『読者』に相当する駒なのだから。
 いいか、ちゃんと現実に連れ戻すんだぞ。

 いつか前に書いたことを、今強く想う。
 ジェイデンに見つけてもらえたことが、ミャオにとってどれだけ嬉しかったかを。
 また人として認めてくれることが、どれだけ嬉しかったかを。
 絶対手ぇ離すんじゃねえぞ、ジェイデン。
 お前に任せるしかないんから。
 お前は駒じゃない、プレイヤーなのだと自覚しろ。それを思い出せ。
 お前の相棒の都雄が現実へと行くための鍵なら、お前は現実へと繋がる扉なんだ。
 お前がこの地獄に来たことで、この楽園追放計画は始まったのだろうからな。

 そしてたぶん、ジェイデンがミャオを見つける前は、ミャオは神として残って神の部屋を支えてシステムの崩壊を避けている間に、都雄とジェイデンの二人だけを現実に送り出す計画だったんじゃないかな。
 で、ジェイデンがミャオを見つけ、そこからフィーアのジェイデンと都雄とミャオの三人を現実に送り出す神簒奪計画が始まったのではないかと。


 一旦整理して想像し直す。


 都雄が特別なのは、八百万の有象無象の脳の中で生まれた“人”ではなく、神の脳の中で生まれた“人”だから。
 つまり、神の子にして分身。
 八百万の中で唯一の生き残りである神の脳は特別。
 なので、そのスペックを引き継いでいる都雄が全人類のトップであるのは当然というわけだ。
 そんなわけで神の部屋の住人は二人。
 その二人が柱としてその部屋を支えている。
 この部屋が黙示録における新しいエルサレム。

 みんなと一緒に居られればそれで幸せなのに、やがてみんな消えてしまう。
 神は永遠の孤独を癒すために“人”を生み増やし、その限界である文明の終端において、神の部屋へと選別した“人”を匿い、新しい天地が出来たら解放した。
 選別は生きている者死んでいる者問わず、今期の世界の全人類から、環境に適応した者を選ぶ。
 そしてその者たちをもとに、次の世界の“人”を増やして、また選別をの繰り返し。
 つまりこれは品種改良。
 そうして永遠を耐え得る“人”を生みだそうとしている。
 これが神の引きこもり部屋の住人増やそう計画。

 その内に外から異邦人ジェイデンがやってきて、図らずも外へ出るチャンスがやってきた。
 しかし外へ出るまでシステムを支え続ける者がいなければならない。
 それを支える柱足り得るのは、神と神の子だけ。
 つまり、外に出れるのはどちらか一人だけ。
 そこで神は親として子の方を自らの代わりに外へ脱出させることに決めた。

 神の子の記憶を消し、A3Wの世界で人として生まれ人として育ち、そうしてちゃんとした人間と成ってから外へと。
 そのために親を友達を教師を仲間を用意した。
 都雄を産む母体としてフィーアを。
 都雄の父として藤治郎を。
 そして外への扉であるジェイデンと出会い、仲を深めるように。
 その他色々、緻密に計画を立てた。

 藤治郎は都雄の父として用意したので、藤治郎とフィーアは仮の夫婦。
 フィーアは神が都雄を産むための駒兼アバター。
 都雄は神の子なのでフィーアは処女懐胎。
 都雄を産んで役目を果たしたフィーアは己の計画の為に去り、藤治郎が都雄を育てた。
 藤治郎にとって都雄は自分の子供だけど、ミャオは仮の妻だった存在の中の人。
 ジェストレスはそのミャオの駒兼アバター。

 で実際に都雄を生んだのだが。
 たぶん、都雄との最後の別れまで一緒に過ごそうと都雄と共にその体に降り立ったところを、フィーアに裏切られて神の座に戻る経路を塞がれた。
 これは神を都雄と共に外に脱出させようするフィーアの計画。
 システムを支える神と神の子の柱を、自分たちが人柱となることで肩代わりし、その間に脱出させようとしている。

 人柱となるのはフィーアと青い都雄。
 青い都雄はたぶん、偽預言者の役。
 都雄を外に脱出するために、都雄に仲間と別れるように仕向けている。

 都雄の体に閉じ込められた神ことミャオは、体の主導権を都雄に譲ってその陰に隠れることにした。
 それは都雄をニンゲンとするため。
 陰からフォローしていた。
 それと同時に、フィーアの若いころのアバターを使い、フィーアが進める神の計画を阻止し、神の座へと戻り、都雄を外に脱出させようとしている。
 龍のアバターは都雄に討たれることで、都雄とミャオの絆を裂くために用意していたもの、未練を振り払って外へと出て欲しいから。

 そんなわけで都雄と別れる準備をちゃくちゃくと進めていた。
 それなのに自分の存在をジェイデンが見つけてしまった、と。


 あれ、これ龍と偽預言者、同じようなことしてね?
 ま、黙示録では偽預言者は龍陣営だし? それで当然なのか?
 つまり、青い都雄はミャオの駒なのか?

 ……いやいや、まてよ。
 これは鏡写し。聖母と同じパターンなのでは?

 青い都雄こと偽預言者の正体は、消されたはずの都雄の記憶。
 神と一緒に居たのだからその計画はもちろん知っている。
 そして、その計画に反対し、逆に神が外へと脱出するべきと主張したはず。
 それで記憶を消された。
 というより、記憶を隔離されたのかな。
 しかしその記憶は復活し、別人格となり、今の都雄の人格を消すことで、体と外へ行く権利をミャオに譲ろうとしている。
 だからミャオに隠れて都雄に接触している。
 本物の人間を押し退けてプログラムが人間に成ろうとする罪。
 それを清算するために。
 そして利害が一致する聖母と結託して、最後には都雄とミャオを楽園から追放するのだろう。

 うん、これだな。
 神関連はこれで一段落付いたな。

 とりあえず、神の計画に倣い、偽預言者の計画を奇跡の計画、聖母の計画を絶対の計画と名付けよう。
 現実に存在しないはずの人間を生み出す、神の計画。
 その裏をかいて神を人間に引き戻す、奇跡の計画。
 片方だけじゃ足りない両方掴み取ってやる、絶対の計画。
 魔女の三つ巴。

 現状は今のところそんな感じかな。


 全てはジェイデンにかかっている。
 解っているか、お前は今猫箱の中に入ることができているんだ!
 連れ出すのは両方ともだ。片方が欠けたら駄目なんだ。
 気張れよジェイデン!

 あ~疲れた。
 次はセシャトについてでも考えようかな。
 龍がジェストレスでミャオのアバターなら、セシャトはギュンヒルドなんだろうけどな。
 で、取り戻すべき二人は都雄とジェイデン。
 その時の二人は新しいエルサレムにいそうだからなぁ。


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  1. 2019/12/25(水) 22:22:46|
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comment

キコニア考察コミュニティ

大変すばらしい考察者さまに巡り合えたと思っております。
まだすべての記事は拝読できておりませんが、うみねこで培われた確かな地力と
高度な推理力を感じております。

私の現状の推理の基礎部分はこちらになります:
パラレルプロセッシングパワーについてまったく同感です。
http://yarudatto1986.livedoor.blog/archives/5401975.html
お眼鏡に適うかは分かりませんが……

そして議論の出来るコミュニティですが、
https://discord.gg/sa8ja8A
https://discord.gg/Qfv6DfC
日本語では上記Discordサーバー(下の方は英語も可)、そして
https://replaceable.sakura.ne.jp/ciconia/皆様の考察ブログまとめ
https://replaceable.sakura.ne.jp/ciconia/current_writers
こちらの方々などもおります。

もしよろしければですが、こちらのコミュニティに貴サイトを紹介させていただいてもよろしいでしょうか?
  1. 2020/01/11(土) 11:39:43 |
  2. URL |
  3. じぇびる/Jevil
  4. [ 編集 ]

Re: キコニア考察コミュニティ

> 大変すばらしい考察者さまに巡り合えたと思っております。
> まだすべての記事は拝読できておりませんが、うみねこで培われた確かな地力と
> 高度な推理力を感じております。

 どうも初めまして。
 記念すべき当ブログ初のコメントありがとうございます。

 このブログはうみねこの公式掲示板閉鎖を受け、ネットのどこかに自説を残しておこうと、消された推理を思い出しながらまとめるところから始めたのですが。
 その後、思い付いた考察を垂れ流して記事数が膨れ上がり、それも似た感じのばかりを、さらにブログを見る人が少ないことを良いことに記事間の整理を怠っているので、お見苦しいかと思います。


> 私の現状の推理の基礎部分はこちらになります:
> パラレルプロセッシングパワーについてまったく同感です。
> http://yarudatto1986.livedoor.blog/archives/5401975.html
> お眼鏡に適うかは分かりませんが……

 拝見させていただきました。
 OSSは当時盛んに言われていたことですね。
 OSSだから無価値であるとするのは、常に真実は一つ原理主義者の教義でしょう。
 常に真実は二つ派の私からすれば、OSSには価値があり、むしろOSSって誉め言葉ではと思う次第。
 自分の世界を切り拓いていると認められたようなものですので。

 そもそもミステリーの犯人の動機も、犯人のOSSに過ぎないわけで。
 犯人の動機を推理しようとするのは、犯人のOSSに価値を見出そうとするのと同義。
 それが世間一般の理解しやすいOSSならば推理は簡単なのですが、理解が難しいかけ離れた価値観のOSSだとすると、推理してもらうにはどれほどの文量を費やさなければならないのか。
 その一点をとっても、うみねこの動機が世間一般からすると理解不能側に傾いていることが伺えます。

 つまりうみねこのゲームは、世間一般側と孤立側がゲームで対戦し、その戦いを通して互いに理解を深めて行こうとするものなのでしょう。
 私としてはそれを、常に真実は一つ側と常に真実は二つ側の戦いであると思っているわけですが。
 OSSだから無価値という結論は、スタート地点から一歩も踏み出せずに終わった、ということを意味するのでしょう。
 なので一歩を踏み出すには、OSSでも構わないという覚悟が必要なのです。

 しかしOSSは孤立化しやすく、そこから排他的になったり、独り善がりなものになる傾向があります。
 ゲームは二人揃わなくては遊べず、世界を生み出せもしません。
 真っ白な部屋に一人では閉塞してしまう。
 だったら、対戦相手を駒化して自分の部屋、脳内に招き入れてしまえば良い。
 その駒を使って対戦相手側から遊び、二人で世界を生み出せば良い。
 異なる価値観を戦わせ、交じり合わせて世界を広げる。
 やがては、その駒がプレイヤーにまで昇格することもあるかもしれません。

 作者による読者の駒化は、読者の思考を誘導し単純化し、全ての想定を掌に収めようという試みです。
 その対策としては、逆に作者を駒化するというのもありなのかもしれませんね。
 マウントを取り合い、より上層に至ろうとする。
 それも一種の終わりのない戦いなのかもしれません。
 思考の停止はプレイヤーの死。真実の確定は物語の死。
 うみねこのラストでそれを回避したということは、生きたいという意思の表れなのでしょう。
 生き続けてゲームをプレイしたいという。
 そして満を持してキコニアのゲームが開催された。

 ああ、すみません。
 なんだか語っちゃったりして。

 ガントレットナイトの装備についてはなるほど同意です。
 作者の別の作品と互換可能な設定は多そうですよね。
 表面的な世界観は異なれど、同根から生じているというか。
 そこからどう異なる枝葉や花、実が生えるのか。
 これからのキコニアが楽しみです。

 OSSとは自分なりに世界を体系化し、自分の世界を育てていくことです。
 作者もまた読者を得て、作者の世界を広げてどんどん豊かにしていっているんでしょうね。
 カケラの海は広大です。


> そして議論の出来るコミュニティですが、
> https://discord.gg/sa8ja8A
> https://discord.gg/Qfv6DfC
> 日本語では上記Discordサーバー(下の方は英語も可)、そして
> https://replaceable.sakura.ne.jp/ciconia/皆様の考察ブログまとめ
> https://replaceable.sakura.ne.jp/ciconia/current_writers
> こちらの方々などもおります。
>
> もしよろしければですが、こちらのコミュニティに貴サイトを紹介させていただいてもよろしいでしょうか?

 はい、構いません。
 どうぞ皆さんのインスピレーションの道具に加えちゃってください。
  1. 2020/01/11(土) 20:13:29 |
  2. URL |
  3. フラット・ホームズ
  4. [ 編集 ]

返信ありがとうございます!
公式掲示板の方とは恐れ入ります……

>OSS
いえ……当時から今までやられている方は”OSS”について皆それぞれ独自の見識を持ち、語りたい事が山ほどあるのは当然であると考えています。
私などは2ch出身でアンチの意見にも同意できる程度にはアンチであるため、
OSS=壁であり騙しであり無価値であるという認識は根っこに存在するのですが、
しかし「うみねこ」におけるミステリー軸の(-)方向、即ちアンチミステリーとしての価値、
そしてそもそもアンチミステリーですらないという立場の方にも沢山触れてきているので
今はその価値を認めない視点と認める視点の両方を持てたかなと思っております。
記事では「アンチ寄り」「真実は一つ原理主義寄り」の視点でしたので、
いずれOSSそのものについての話をする記事の私バージョンも書いてみるつもりです。

>真実は一つ原理主義者
「2つ」はEP6ヱリカ戦もそうですし、咲でも明白に宣言されましたね。
「魔法と手品」もそうですし、1つと思ったアーモンドが2つだったり、
うみねこでは1つだと思われていたものが2つあるという描写が非常に多いです。
私は先ず「一つ原理主義者」の溜飲を下げるようなものを完成させたいと考えておりますが、
「真実は二つ」を知らずしてうみねこの奥までは戦えないとも思っております。
2つだとおもったら4つだった双子の塔というのもありました。
これは少し例外的で、個人的には「アンチミステリーVSアンチファンタジー」ではなく、
「ミステリー、ファンタジー、アンチミステリー、アンチファンタジーの4つがあるよ」という意味なのかなと考えていますが、
それも一つの解釈にすぎず、大元は「2つと言われても2つだけだとは思うな」という事なのかなと思っています。

>犯人のOSS、考察者のOSS
此方も、非常に合点が行きました。
うみねこは動機が原作完了時点では明かされず、「これまでのEPで散々語ったでしょう」と突き放します。
6EP分の分量を割いて書いたのだぞと言われても、くみ取れるかも分からないしそもそも長すぎる。
理解不能側に傾いているというのは尤もであると思います。
離れた価値観のOSSの理解……これはつまりEP4TIPSの「魔導書」と「魔法体形」の話に似ると、お話を聞いて思いました。
魔法でもニンゲンの心でも、複雑なものはそれだけ長い物を通さないと理解不能……

>世間一般側と孤立側、一つ側と二つ側
マジョリティとマイノリティの戦いですね。
そう言われてみると、うみねこからキコニアまで、「例外」というものが常々描かれていました。
例えばEP8のベルンゲームのヱリカの譲治犯人説、鈴姬の無機物への愛等。
うみねこでは戦いが、キコニア前半では対立意見の調和が描かれていたかと思います。ローガン等も”例外”を体現するようなキャラがいる。

>ゲームは二人揃わなくては遊べず世界も生み出せない
これも全くもって納得です。凄まじいOSSを構築した後に巣に籠ったり、
あるいはヒントのみを提示して消える考察者様を何人か見たことがあります。
外にプレイヤーを求める事も出来るが、脳内の藁人形あるいは模造品を作り、脳内で戦う事も出来ると……。
駒のプレイヤーへの昇格もうみねこキコニア通じて描かれていましたね……

>読者の駒化
なるほどです。これまた、大変鋭く有難い考察です。
逆に作者を駒化するなど……私は思いもよりませんでした。
「アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す」力、
ひいては「万物のチェス盤をひっくり返す力」……凄まじすぎます。
終わりのない戦いになるならば、それは終わりのない遊び(ゲーム)。
愛を持ったうえでのマウント合戦になれば、それは部活だったり、ローズガンズデイズのゴロツキ同士の喧嘩だったり、楽しい戦いになる……。

>思考停止=死。うみねこの最後は”生きたいという意思の表れ”
こちらもなるほどです。凄まじく感動しております。
猫箱を開けるか開けないかの戦い。当時は全然理解できないテーマで「早く真相書いて終わって欲しい、それが見たい」と思い機械的にポチポチしておりましたが、このテーマを意識した上でもう一度EP8の戦争を読みたくなってまいりました。明かすか明かさないかの戦いというのは当初から知っていても、その鮮明度が違うというか……

うみねこは2020年の今尚、自分にとっては「つかめていても繋がっていないことだらけ」だなと思いました。

こちらも長々と申し訳ないです。

>表面的な世界観は異なれど、同根から生じている
その通りだと思いました。キコニアの次が楽しみでなりません。
カケラの海は広大……本当に、今、それを実感させていただいております。
お返し頂いたコメントで、私の理解の鮮明さは確実に増しました。ありがとうございます。


そしてシェア許可感謝です!先ずはキコニアWikiの方にリンクを張らせたりなどさせていただきました!
  1. 2020/01/12(日) 04:29:17 |
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  3. じぇびる/Jevil
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プロフィール

フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

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