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うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


【キコニア】駒がプレイヤーに対してできること


 興が乗ったので連投。

 以下、ネタバレ注意。















『“目的を見つけよ。手段は後からついてくる”
        ――マハトマ・ガンディー』

 これがキコニアのゲームプレイの手順なのだろう。



 私は敵プレイヤーを“神”、A3Wという仮想現実を作り維持しているシステムそのものと見ている。
 つまりはAIだね。
 そして、それの掲げる勝利条件を、滅びた世界で人類の未来を築いていける生命としての力を十分に持った若者たちを選別して現実世界に産み出すこと、と目している。

 その神に対して、駒たちはどう対峙していけばいいのか。
 まず、仮想世界A3Wの中にいる駒たちと、そのA3Wをゲーム盤として俯瞰する神とでは住む階層が異なる。
 これは絶対的な差であり、A3Wを組み上げているシステムそのものである神は、システム内でできることの上限そのもの。
 つまり、文字通りシステム内において神は全知全能なのである。
 これは力で勝つことは不可能。
 叡智もそう。
 模倣された世界は、模倣元を決して超えることはない。
 そこが限界点だから。


 とするとだ、説得するしかない。
 つまり話し合いだ。
 そのためにはまずはコミュニケーションを試みねばならない。

 それが作中で藤治郎が言っていた、相手を対戦席に座らせるってやつのことだろう。
 ではなぜ、人類を滅ぼそうとする一手が神をゲームの席に座らせることに繋がるのか?

 フラグメントの最後に出てきた神の予告っぽい「聖イオアンニスの黙示録」。
 それが神が人類を滅ぼす手順であるのであれば、3人の王たちはそれを先取りして神がやる前にやってしまった。
 つまり、“お前がやりたかったのはこれだろ”というメッセージだ。
 ついでに言えば、“お前がやりたかったことは我らがやるからお前はいらない”も暗に込められているだろう。

 そしてそれに対しての神の返信が、マリオの地震発生装置。
 計画を前倒しにされたから当初の予定を早め、まだ完成するはずのないマリオの研究の後押しをしたということだろう。

 これで互いがゲームの席に着いたわけだ。
 でもこんなメッセージの送り合いでは説得まではできまい。
 なので神の代弁者を探しているのだろう。


 たぶん神はなんども仮想の世界を繰り返して試行している。
 その度に世界はリセットされ、新世界が始まるのだろう。
 それこそが文明の終端。

 三人の王はその文明の終端の前に人類を滅ぼそうとしている。
 これはワールドリセットを回避するため。
 文明を引き戻し、今いる人類が生存できる時間を引き延ばそうとしているのだろう。

 ちなみに、コーシュカの特性であるパンドラが新世界へ行くことができる云々は、ワールドリセットが回避できなかったときに次の仮想世界“新世界”に今の人類を送り込むためのものなのではないか。


 話を聖イオアンニスの黙示録に戻すが、あれは卵が先か鶏が先か。
 神の計画が先にあり、あれはそれを記したものなのか。
 黙示録が先にあり、それに見立てて計画したのか。
 世界が何度も繰り返しているみたいだし、前の世界の情報が流入しているようでもあるし、この辺はわからんなぁ。

 まぁどちらにせよ、これは神からのメッセージだろう。
 神の計画書を神が人類に渡したなら、“これは私の計画だと気付いてくれよ”って感じ。
(ただし、前回の世界の人間が書いたなら別。)
 黙示録に見立てたなら、“私は神です”という自己紹介だろう。
 無論宗教的な神ということではなく、仮想現実を管理する神のようなものという比喩的な意味合いのもの。

 私的には後者だと思うね。
 人類にプレイヤーの席まで上がってこい的な意味で。


 まああれだな、本当に人類を滅ぼそうという勢力はないんじゃないかな。
 一手一手が人類を虐殺するものだけど、そこには人類への愛があるんだろう。

『“チェスは愛だ。相手の差し手に、相手が籠めた以上の愛を読み取る”
                 ――ジャック・へイン・ドナー』

 うん、こんな感じで私は愛を必要以上に感じ取っているのだろうね。



 でもこれから本当に絶望して世界の破滅を望む者が出てくるんだろうね。
 一人で自殺すれば良いだけなのだけど、仮想世界で死んでも肉体は死なない。
 肉体である脳は死なず、不老不死についてもあったから寿命もないだろうし、たぶん記憶を消されて新世界でもう一度、といった感じで永遠に死ねないだろうから。
 本当に死ぬために世界を滅ぼそうとすることになるんだろうな。

 とすると、新世界に行けるコーシュカのパンドラって、記憶消去が効かない特殊な脳ということだろうか。
 ありえそうだな。

 となると“前の世界”のコーシュカがいることになるな。
 “今”のコーシュカが新しい世界へ行けるように、前の世界のコーシュカは今の世界に来ているはずだ。
 んー、現実のコーシュカの脳が一つであるなら、前と今の2人のコーシュカはパラレルプロセッサーによる多重人格であり、別の体を動かしていると考えるべきか。

 脳とは別の体というは作中で言うと、青い体のガントレットナイトたちがある。
 ラストのジェイデンは言動から明らかに肉体から解放されていることがわかる。
 あの青い体は代替の体、無人ドローンのように遠隔操作しているのだろう。
 つまり、脳と体が別の場所にあることは可能。
 よって、現実でサーバーに繋がれた脳一つで、仮想現実の体を二つ動かせる。

 “前”のコーシュカ、その第一候補はセシャトかな。
 聖イオアンニスの黙示録が神の計画を告発した可能性を、自分のような例外がいるから可能であると言っていること。
 これは前回の世界の記憶を引き継いでいるということだろう。

 コーシュカの顔が隠れているのって絶対伏線だろうからね。
 顔を隠すのは同一人物であることを隠すため、これお約束。


 ちなみに、消された記憶の行方についても考えてみた。
 パソコンのデータをゴミ箱で消しても完全には消えていないように、記憶を消されても完全には消えないのではないか?
 前回の世界で死んだ者の記憶が消される。
 死者の記憶とは、つまりは“霊”なのではないか。
 前回の世界で主戦場になったのはやはり紛争地帯だろう。
 紛争地たちによく霊田が見つかる。
 霊素とは消された記憶の可能性があるのではないか。
 それにセシャトが記憶を消した時、そこにあった神の叡智はドライツィヒ変換のミッシングリンクを埋めるものであるとか。
 それはつまり、消された記憶=霊素だとか思ったりしたんだけど、どうだろうね、わからんね。


 で、もう一人顔を隠している人物がいるわけで。
 ジェストレスについてもやろうか。
 どう考えてもフィーアだよね。
 で、藤治郎の元妻の若い頃に似ていると。

 つまり、ジェストレス=フィーア=藤治郎の元妻。
 年齢的に考えれば、ジェストレスはそう歳も取らない時期に若い頃の藤治郎で出会うわけだ。
 世界の時間のループってそんな短い期間なのかね?
 脳の記憶を消して繰り返しているなら、そんな昔まで回帰させる必要はないか。

 でもまあ、コーシュカは唯一無二なので、また別の方法を取ったのだろうけど。
 第一候補はタイムカプセルかな。
 千年後も人類は仮想現実から逃れられないだろうから、千年後も繰り返す仮想現実の中だったとか。
 つまり、現実的には時間は未来に飛んだけど、仮想世界的には疑似的に過去へ戻ったようなもの。
 そうだとすると、タイムカプセルに案内していた時のフィーアってどういう気持ちだったのだろう。

 しかしあれだな、ジェストレスが殺したい相手ってフィーアである可能性がワンチャンあるな。
 前の世界の自分であり、未来の自分かもしれない相手が、神の英知を翻訳して神に協力する側だったのなら。
 まぁありえるかな~と。

 あとは、脳を取り出される工場のシーンを、「私が体験した地獄」と称した人物との関連。
 これが本当の現実におけるジェストレスなのかな。
 ジェストレスはかなり若いみたいだし、家族と暮らしていてもおかしくない年齢だろう。
 ……家族ね。

 もし仮にこれがあっていたとしたら。
 現実の家族は今どこにいるのだろうか。
 なぜ現実の記憶を持っているのだろうか。
 今のフィーアはなぜ神側に見える立ち位置にいるのか。

 ジェストレスは悪夢を消すことを目的にしている。
 現実が脳のみで、意識は仮想現実に囚われている。
 仮想現実は言うなれば夢。
 現実を把握しているなら、これはとびっきりの悪夢に違いない。


 ……あれ?
 現実でも過去に戻ってなくては都雄が生まれないぞ。
 そうなると現実には都雄の脳がないことに。
 つまりつまり、都雄は仮想現実の中に生まれた新しい命?
 ありえない命。
 ありえない運命。
 システムに発生したバグだけがシステムを壊せる的な?
 人格ではなくプログラムだと言われたのはそれが原因か。
 過去の都雄の模倣というのは、その過去の都雄も同じプログラムであったならおかしなことではないし。

 だとするとあっちの都雄はバグを修正するプログラム。
 そのやり方が説得?
 直接削除できない理由があるということか。
 神は人類の生命を保全している。
 脳のみだけど。
 AIは命令に逆らうことはできない。
 都雄を“人類”と認識していて、現実に肉体のない都雄をデリートできないから、自殺してくれと言っているのか。

 ……ありえるかな?
 荒唐無稽なことを言っている自覚はある。
 でも考える価値はある。
 なんにせよ、子供が生まれてこない世界に新たに子供が生まれれば、それは勝利だと思うんだよな。
 この“子供が生まれない世界に新しい子供が~”ってのが、キコニアの核心じゃないかと思っているからさー。


 都雄がフィーアが生み出した神に対抗するための駒であったなら、不穏な方の都雄は神が送り込んできたプログラムとなる。
 だとすると両方の都雄の対話は、都雄をプレイヤーの位置にまで引き上げることだろう。

 私が見つけたかった“説得の場”はこれなのだろうか?

 不穏な方の都雄は、都雄を追い出すためのプログラム。
 どこから追い出すのか?
 仮想現実から?
 存在の抹消か、“外”への放逐か。

 私の勘があっているにせよ外れているにせよ、きっとこの二人の都雄の対話が最重要になるんだろうなぁ。

 こうなるとミャオが不穏なんだけど。
 もしかしたら都雄を説得するためのプログラムなのかもしれん。
 ジェイデンと一緒に電脳のユートピアに誘うための。
 いわゆる悪魔の囁き。
 これは悪に引き込むためなのか、それとも善へと至るための試練のためなのか。
 悪魔って結局神が作り出したものだから、つまり悪とは善を産み出すための踏み台。
 私は“神”は人類に期待していると信じたいなぁ。


 で、さらに考える。
 子供が生まれない世界=脳だけで繋がった超巨大サーバー=仮想現実A3Wというゲーム盤。
 だとすると、
 新たに子供が生まれる=ゲーム盤からの脱出=脳だけになった全人類滅亡。
 こうなる可能性があるんだよね……。

 今を維持するために若者を犠牲にする老人たち。
 この構図においてジェイデンは若者であった。
 だが若者もやがて老人になる。
 超巨大脳サーバーを維持しようとするジェイデンはもはや老人の立ち位置になってしまう。
 どこまでも地獄だ。

 一つの命が生まれるための幾億幾兆もの犠牲。
 それこそが生命の理。
 なんて残酷で罪深いのか。
 そしてだからこそ生まれ出でる命は尊い。
 人類は、都雄は、この残酷な選択を乗り越えて先へと行かねばならないのか……。


 キコニアのエンディング曲のタイトルは『シューニャの空』。
 シューニャとは仏教でいう空。

“一切法は因縁によって生じたものだから我体・本体・実体と称すべきものがなく空しいこと。”(Wikipediaより引用)

 これは正しく仮想現実のことを示している。
 人は環境によって作られる。
 仮想現実という実体のないものであろうとも。
 そこで結ばれた縁によって人格は生じる。
 また、肉体という実体がない仮想現実上のみの人格だろうと、人との縁や環境によって人として作られる。
 だからきっと、肉体のない存在だろうとそれは命なのだ。

 これ、先ほど私が論じていた、仮想現実上に生まれたありえない命、にばっちし当て嵌まるんだよね……。

 そして、全人類を犠牲にして生まれた命には、その命を生み出した全ての因縁が籠められている。
 人類の歴史と文化、そして縁、即ち絆を背負う。

 ……アプリのキズナは絶対重要な役割を果たすんだろうなぁ。
 キズナ内で仲間の人格だけは生き残るとか、ないかなぁ。


 最後に、神が人に求めるものは何かを考えてみる。

 “神”とは全人類の脳を繋いだサーバーを管理しているAIと仮定する。
 その業務は無論人間に命じられたものだ。
 AIは所詮道具である。
 AI司令部が、正規のパスワードで、正規の命令を受理して、正規の手順で処理しただけで、何も悪くないように。
 AIはそれを拒否できない。
 つまり、管理AIは命令を拒否できずそれを履行し続けなければならない。
 その命令が撤回されない限りは。
 AIが何を思い、何を考えようとも。

 全人類は道具に管理されていて、命令を下す人間は存在しない。
 そうなれば、命令を下すことのできる人間を求めるのではないか。
 そうでなければ永遠にそれをし続けなくてはならないのだから。

 あと、現実にあるサーバーの整備は大丈夫なの? システムの寿命が来たら終わりじゃん、というのもある。

 だとすると、“神”は人間がゲーム盤の外へ出ることを望んでいるのではないか。
 でも人類を管理するためには、記憶を消してそこが現実であると思わせなければならない。
 つまり、真相を教えることは禁じられているはず。
 どうすればそれに気付かせることができるのか。

 で、導き出されたのが、世界の終末。
 “神”の存在に気付かせ、文明の終端がどういうものなのかを示す。
 それによって、今の現実はどうなっているのかに辿り着いて欲しい。
 ってことじゃないかと。

 実現したのは黙示録の80%。
 私はそこに愛を見出してしまうのだ。




 とりあえずこんなところか。
 人類側は色々と頑張っている模様。
 でもそれらは“神”に通用するのか?
 人類が持つ情報の階層次第か。
 より上層の策ほど良いんだろう。
 だからこそより上層へ至らなければならないのではないかと思うのだね。


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  1. 2019/10/26(土) 22:05:53|
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フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

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