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うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


愛と憎しみと、箱の中の黄金

 EP8を語りたい。


 これまでのEPでは、真実を暴き幻想を殺せ、とそのように焚き付けられてきた。
 それなのにEP8では、真実を暴く者から幻想――黄金郷を守る、というストーリーとなっている。
 これまで言ってきたことと違うじゃないか、矛盾している。

 ――が、まあそんなわけはない。
 そんな徒労のためにあんなに長々と物語を書くことなどできようはずがないのだ。
 矛盾に感じるなら、それを解消すれば良い。

 例えば、それらは手順の順番である、とか。
 まずは真実を暴き、魔女の心臓を握る。
 その上で、猫箱を開けて止めを刺さずに、猫箱の中にある黄金郷を守って欲しい。
 そういうメッセージだろう。

 つまり、真実を暴こうともせずただ幻想をそのままにすることと、真実を暴きその上で幻想を生かすこと、それらは全く異なることであると真犯人、あるいは筆者は考えているということ。

 ではさらに真犯人あるいは筆者の考えを読み解こう。


 猫箱の中身を喰らう山羊は、猫箱の真実についての仮説の象徴だ。
 本質的に、真実だと主張することは、他の主張を真実ではないと否定することも含んでしまう。
 猫箱があるからこそ、それらはどちらも否定することができないだけだ。
 ブラウン管裁判は、猫箱によって、中身の真実と外の仮説が隔てられているからこそ成り立つのである。
 仮説を猫箱の中に投じれば、真実を喰らうことになるのは当然の結果だろう。
 それをなさない唯一のものは、真実と一致する仮説のみである。

 それを踏まえれば、自分の心という猫箱の中にある真実を喰らおうとする、外から来る山羊たちに対する、怒りと悲しみを感じることができる。

 しかし、真犯人の動機は復讐ではない。

 描写でも、猫箱の中を守ろうとするものであり、その外側に対して攻撃するものではない。
 物語は猫箱を開けずに終わる。
 つまり、猫箱を開けないことで、守れるものがあるということ。

 それは何なのか?

 まず、猫箱の中にあるものといえば、本当の真実。
 これは猫箱を開けても開けなくても、変わらずに存在する。
 開けることで損なわれることはないので除外。

 では、本当の真実に辿り着いた者であるのか。
 猫箱を開けなければ、本当の真実はその者だけのもの。
 開ければ、それ以外の者にも等しく分け与えられてしまう。
 だが描写では、猫箱の中身で最後まで守ろうとしたのは黄金郷なのだ。
 つまり、幻想である。

 本当の真実の自分とはみすぼらしいものだと、そう真犯人は卑下している。
 相対的に、真犯人が大切にしているのは、自身が生み出した黄金の真実である、愛しのベアトリーチェなのだ。

 そう、真犯人が殺人を犯した動機は、ベアトリーチェへの愛ゆえに。
 猫箱の中に黄金の真実を生み出すこと。
 それを目的とした犯行なのだ。

 だから最後まで猫箱を開けずに守ったのだ。


 そこまでわかれば、なぜ真実を暴いた者に黄金郷を守って欲しいと願ったのかもわかる。
 猫箱に入った2つの真実。
 赤き真実と黄金の真実。
 そのどちらをも託した。
 だが愛ゆえに、真犯人自身の真実よりも、愛しのベアトの真実をこそ大切にして欲しいのかもしれない。

 そして、だからこそ、その黄金の真実がどんなものかもわかる。
『真実を暴こうともせずただ幻想をそのままにすることと、真実を暴きその上で幻想を生かすこと、それらは全く異なることであると真犯人、あるいは筆者は考えている』
 真実に至らずとも誰にでも手に入る幻想と、真実に至った者にだけ解る幻想と、どちらが黄金なのか。
 言わなくとも明白だろう。

 手品か、魔法か。
 魔法なら、それはどんな魔法が視えたのか。
 何を魔法と認め、讃えたのか。
 EP8では、それが問い掛けられていたのではないか。


 ああ、だからこそ、私は思う。
 至った者たちが偽書を作り、新たな謎を広めることを、最初の黄金の魔女が喜ぶのだろう、と。
 謎という猫箱の中こそ、彼の魔女の住処なのだから。 


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  1. 2018/02/17(土) 20:10:14|
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プロフィール

フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

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