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うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


うみねこ 紫

 コミック「うみねこのなく頃に 紫」を解く。


金蔵が最初から死んでるとか、六軒島の魔女ベアトリーチェが出てくるとかはないんだな?
どちらもない。今回は魔法とそれに関するものもなしだ

 “魔女ベアトリーチェが出てこない”とは“魔女が人間には不可能ことをすることはない”ということ。
 故に、魔女側は“人間には不可能”以外のことで勝利を目指さなくてはならない。
 “人間には不可能”以外とは即ち、“人間に可能”なこと。
 つまり、本当の真実とは異なる真実を構築すると言っているのだと解釈する。

 そんなわけで、南條が犯人だと描かれたなら、それは南條を犯人に仕立て上げたいという意志の表れ。

ミステリーである限り「ノックスの十戒」は有効デス
『9.観測者は自分の判断・解釈を主張することが許される』

 魔女側には、南條が犯人であるという解釈を主張することが許される。
 よって、チェス盤を引っ繰り返せば、南條は犯人ではないとなる。





 ここからは南條が犯人ではないと仮定して推理する。

犯人の定義とは殺人者のことである

 これは逆を言えば、殺人を犯していなければ殺人者ではなく、よって犯人ではない、ということになる。
 つまり、殺人を犯す前は殺人者ではないので、後に殺人を犯すとしてもそれより前の時点では「犯人ではない」と言えるだろう。

 つまり、

右代宮戦人は犯人に殺された。右代宮戦人は犯人ではない! また探偵役であるヱリカも犯人ではないぞ!

 これはその時点でのことであって、その後に殺人を犯して犯人になる可能性は否定できない。
 とは言え、戦人はその時点で殺されているので、その後に殺人を犯すことはできず、犯人にはなりようがない。

 そして、戦人は犯人ではないので、戦人の発言『真里亞は誰も殺せない』は真実。
 よって、真里亞も犯人ではない。


 それを踏まえて、留弗夫・霧江殺害を見てみる。

真里亞『ここにいる私たち(戦人・楼座・真里亞・南條)には、全員アリバイがある
戦人『絵羽伯母さんはゲストハウスの一室に篭城して出てこようとしない。窓と扉は封印されていて、それは今も保持されている
戦人『おまえ(ヱリカ)は犯人じゃない

 これで生き残りの中には犯人はいない。
 なので、死んだはずの者たちの中に犯人はいることになる。

南條『秀吉さんも譲治さんも、確かに死亡しています…
南條『夏妃さんも朱志香さんも、死亡を確認しました……
南條『留弗夫さんも霧江さんも、この傷では即死
戦人『親父は人を殺したりなんてしねえよ
犯人は自殺することはない

 事件前に、秀吉・譲治・夏妃・朱志香は死亡。
 留弗夫は人を殺せないので、霧江を殺していない。
 犯人は自殺できないので、霧江は留弗夫を殺した後に自殺していない。
 よって、留弗夫と霧江を殺せる人物は、第一の晩の犠牲者の中にいることになる。





ヱリカ『死んでいるのは金蔵さん、蔵臼さん、源次さん、熊沢さん、郷田さん、嘉音さんの六名ですね
留弗夫『親父たちは確かに殺されていた
戦人『書斎の六人と客室の二人を殺したのは同一人物

 第一の晩の犠牲者を犯人とすると、これらの紫発言をどうにかしないとならない。
 そこで注目したのはこれ。

ヱリカ『殺されれば、人は死ぬ

 これが嘘であるなら、「殺されても、人は死ぬとは限らない」ことになる。
 つまり、

留弗夫『親父たちは確かに殺されていた
戦人『書斎の六人と客室の二人を殺したのは同一人物

 このように殺されたと言われても、死んでいなかったのなら第一の晩の犠牲者は犯人になりえる。

 そしてヱリカは、戦人死亡後に誰かを殺せば犯人となることが可能。
 とは言え他にも赤き真実を抜けなくてはならない。

また探偵役であるヱリカも犯人ではないぞ!
ミステリーである限り「ノックスの十戒」は有効デス
『7.探偵が犯人であることを禁ず』

 “探偵”は犯人ではないが、ヱリカは“探偵役”であって“探偵”ではないとすればどうだろう。
 それならばヱリカは犯人になりえる。


 ヱリカが犯人なら、

死んでいるのは金蔵さん、蔵臼さん、源次さん、熊沢さん、郷田さん、嘉音さんの六名ですね
殺されれば、人は死ぬ

 これらが嘘となる。
 しかし、第一の晩の犠牲者の中の一人が死亡していないとはいえ、“殺された”とは言えるので、別の意味で殺されなければならない。

 そこで注目したのは「探偵“役”」だ。
 例えば、「探偵が殺された」というのと「探偵役が殺された」では意味合いが異なる。
 そのように“役柄”が殺されたのなら、“殺された”と言えるのではないだろうか。

 つまり、殺された第一の晩の犠牲者の一名は“役柄”であり、本人は生きていて犯行を繰り返していると考えられるのだ。


 問題は第一の晩の犠牲者の誰がそうなのか。
 ノックス第8条により、それには手掛かりがなくてはならない。

金蔵が最初から死んでるとか、六軒島の魔女ベアトリーチェが出てくるとかはないんだな?
どちらもない

 ここから解るのは、今回のゲームで金蔵は最初から死んでいないということ。
 そして、これまでのゲームでは金蔵は最初から死んでいるということ。
 同様に“ベアトのゲーム”であるのにも関わらず。

 これはつまり、最初から死んでいるのにも関わらず、他のゲームでも金蔵が生きている可能性があるということ。
 要するに、金蔵は死亡しているが、“金蔵という役”を演じている者がいる可能性はあるのだ。
 そしてその者が全員に“金蔵”だと認識されていれば誰もおかしいとは思わないだろう。

 そうであれば、“金蔵という役”を演じている者は、死んだふりをして“金蔵という役”を殺し、その後、書斎を脱出すれば犯行は可能。

 書斎脱出は、ヱリカが扉を封印→金蔵が窓から梯子で脱出→ヱリカの頼みで戦人が外から窓を封印、というもの。
(戦人が梯子を使っていたので、梯子の手掛かりは十分)

 書斎を出る時の封印関連の紫の発言は以下の通り。

ヱリカ『ガムテープで扉を封印しました
ヱリカ『痕跡を残さずに剥がすことも貼り直すことも一切できない
戦人『封印が破られない限り、警察が来るまで絶対誰の出入りもできないようにした
戦人『封印を破らずに書斎を出入りすることは不可能だ

 ヱリカが封印したと明言しているのは扉だけ。
 戦人がそれの発言に対し「出入りが不可能」と言ったので、それが「扉からの出入り」のことであれば嘘ではない。

 さらに言えば、戦人がその紫の発言をしたのは、扉が閉められガムテープで封印しその説明を戦人にし終えた後のこと。
 その間に金蔵はさっさと窓から抜け出しているだろうから、「まだ封印されていない窓も含めて、封印が破られるまで誰も出入りが不可能」と言える。


 第一の晩の5人を殺し、“金蔵という役”も殺した金蔵は、ヱリカの助けを借りて書斎を脱出。
 チェーンを番線カッターで切断し、客室にいた譲治と秀吉を殺害。
 ヱリカによって園芸倉庫に閉じ込められた夏妃と朱志香を殺害。
 戦人たちが絵羽をゲストハウスに送っている隙に、留弗夫と霧江を殺害。
 そして、戦人も殺害。

 その後、ヱリカは生き残りを連れて各犯行現場を確認した。
 その時、金蔵の体は書斎になければならない。
 よって、金蔵は戦人を殺害した後、梯子を使って窓の封印を破って書斎に戻った。

 だから、ヱリカの発言『犯行現場の封印は、すべて維持されたままでした』は嘘。
 書斎の窓は外側から封印されていたので、中からでは封印は確認できない。
 そして、外からは3階なので見た目を誤魔化すことは可能。
 なので、他の生き残りを騙すことは簡単なこと。


以上の情報で犯人が特定できることを保証する

 戦人が死んだ後、再び犯行現場を巡り終えた所で終了。
 それ以上の事件は起きていない。
 にも関わらず、ヱリカは戦人殺害後に誰かを殺して殺人者となっていなければならない。
 そして、その手掛かりは示されていなければならない。

 蔵臼、源次、嘉音、郷田、熊沢、秀吉、譲治、夏妃、朱志香、留弗夫、霧江、戦人の12人は死亡しているので、ヱリカが殺すことは不可能。
 ヱリカ、絵羽、楼座、真里亞、南條は生き残り、その後その内の誰かが殺されたという事件は起こっていないので、この5人を殺すことも不可能。
 これにより、18人中17人が殺害不可能となる。

 よって、ヱリカが殺すことが可能なのは金蔵だけ。


 ヱリカが再び犯行現場を巡ったのは、金蔵が死んでいることを再確認させるため。
 それによって、金蔵は第一の晩の時に死亡していると誤解させたかったのではないか。

 ヱリカが再び犯行現場を巡ったことを根拠に、ヱリカが金蔵を殺害したのだと主張可能。
 よって、ヱリカによる金蔵殺害は成立する。

 ヱリカは金蔵と共に書斎に戻り、金蔵に死んだふりの姿勢をとらせて殺したのだ。





 まあこれはあくまで南條が犯人ではない場合の真実だ。
 すまないがどんなゲームでどんな主張をされても、私には19人目と金蔵が犯人であるとしか見えなくなってしまっているのだ。


 ちなみに、『紗音は今回のゲームでは島の外にいるため除外する』とあるので、紗音の肉体は六軒島の外にあることになる。
 そして、紗音以外にもう一人紗音がいるという手掛かりはこのゲームにはない。
 とは言え、第7のゲームの手掛かりを合わせれば話は別であるのだが。

 ともかく、私としては紗音と嘉音は別人であると考えているので、今回のゲームでは言葉通り、紗音は島の外にいると考えている。
 これは分岐フラグが親族会議の日よりも前に察知できるものであれば、紗音に命じて島の外に出すことができるからだ。

 とりあえず分岐フラグは紗音関連のことだと推測する。
 根拠などないが、譲治が婚約指輪を買わなかったら、とかではないだろうか。
 指輪の購入は監視していれば簡単にわかる。
 指輪を購入は即ち親族会議でプロポーズをするということ。
 従来のゲームのようにプロポーズがないとなると、紗音、いやヤスの動機が一部崩壊するので、ヤスという黄金の真実が成立しなくなってしまう。
 そのため、真犯人のスケープゴートとして用意された紗音の使い道がなくなり、どうせならということで、思い切って紗音が島にいないゲーム盤を作ったのではないかと考える。


 こういうベアトの思惑や遊び心を想像する余地があるから、まだまだ「うみねこ」は楽しめる。





 一旦これで私の考察はおしまい。
 何か忘れていた考察を思い出したり、新たに何か考察した時はまた記事を書こうと思う。

 それではまた何かのなく頃に。


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  1. 2014/03/23(日) 01:52:49|
  2. うみねこ紫
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我らの告白

※小冊子「我らの告白」のネタバレあり。
 「我らの告白」はある種の解答になりうる内容になっている。
 その考察であるこの記事もまた同様の可能性があるので注意されたし。


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  1. 2014/03/22(土) 22:26:53|
  2. 我らの告白
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エピソード8

 ベルンがGMを務めた第8のゲーム。
 ヒントと共に解いていけば、戦人が嘘を吐いているという結論に達する。
 紗音が死ねば、嘉音も死ぬ。同一説が肯定されている。
 第一の晩発覚後『全員が食堂に集まった。』と蔵臼が宣言した。
 それに異論を挟む者もいなかった。
 それはその場にいた全員が共通している認識だということ。
 つまり、戦人も紗音と嘉音の事情を知っていた。


 それを私は認めることができない。


 それが真実なら、今回のゲームの犯人はベアトではない。
 GMが違えば犯人も異なるという理屈なのだろうか。
 確かに、GMが代わってから、同一説ではベアトは殺人を犯していない。

 戦人が犯人では、戦人に解いてもらうための事件ではないことになってしまう。
 作者が異なるから、ベアトが解いてもらいたい謎でなくても良いということだろうか。

 戦人が紗音と嘉音の事情を知っているなら、ベアトが謎を出す必要がない。
 戦人が解くべき謎がないのであれば、もはやこれはベアトのゲームではない。
 そう、ベアトのゲームでないから自由に設定を変更できる。


 第4のゲームに倣い、こう言おう。

 私はベアトリーチェと戦うためにこのゲームを引き受けた。
 正確には、ベアトリーチェという駒を生み出した者。メッセージボトルの作者と戦うためだが。

 復唱要求。
 これはベアトのゲームである。
 これは戦人に解いてもらうための謎である。

 復唱できないなら、それは“私のベアトリーチェ”でない。
 私は私の対戦相手が“私のベアトリーチェ”であると信じる。


 故に、戦人一家犯人説は却下。
 それをこのゲームの本当の真実としたら、それは“私のベアトリーチェ”を殺すことになってしまう。
 私がすべきことは“幻想のベアトリーチェ”を殺すことあり、“私のベアトリーチェ”を信じて守ることなのだ。

 ヱリカが主張した譲治一家犯人説も却下。
 可能性は否定できないが、親族会議前に譲治が殺人を犯したという手掛かりはないからだ。

 そもそも戦人一家犯人説は、嘘を吐いている人物を特定するために、嘘を吐いていない人物を除いて行くというアプローチをした結果、戦人以外は嘘を吐いていないという結果のもの。
 ヱリカはそこから、戦人の他にも嘘が吐ける人物がいるのではというアプローチをして、譲治が嘘を付けると主張した。

 ヱリカはアンチミステリーを作り上げる駒なので、そのアプローチは間違っていると見るべきだ。
 なのでその逆、戦人も含め誰も嘘を吐いていない可能性を探るべきだろう。


 戦人も嘘を吐いていないのであれば、留弗夫と霧江は死亡しているので犯人ではないことになる。
 そして、戦人にベアトの謎を解いてもらうためには、戦人も犯人ではないことが望ましい。

 そうなると、嘉音と紗音をそれぞれ一人と数えるとして、金蔵を抜かした17人以外が犯人となる。
 犯人の内、一人は夏妃の部屋に閉じ込められるので、犯人は最低2人。
 つまり、登場人物が19人いればいい。

 『犯人は登場人物の中にいる。』が、登場人物の内訳は確定していない。
 これまでのゲームで「登場人物」に言及していたのは、ノックス第1条「犯人は物語当初の登場人物以外を禁ず」くらいだ。
 第1のゲームで六軒島の中で登場した人物は、金蔵を含めた18人に、肖像画の前に現れた肖像画と同じ姿の人物。
 肖像画と同じ姿の人物は、18人の中の誰かの変装の可能性があると同時に、18人以外の人物の可能性も並び立つ。
 つまりノックスに従うなら、登場人物は19人までいる可能性があることになる。

 このゲームにおいて登場人物の内訳を確定しなかったのは、表向きは紗音と嘉音が同一によるものであるためという名目で、裏向きの19人というのを隠すため。





 第一の晩発覚後『全員が食堂に集まった。
 この“全員”は蔵臼が認識していた“全員”。
 19人目のベアトのことは認識しておらず、金蔵が生きているなら金蔵も含む。
 金蔵は生きていることが前提なので、この時金蔵も食堂にいたことになる。
 その後も金蔵は戦人たちと共に行動することになるので、夏妃の部屋に閉じ込められた第一の晩と第二の晩の犯人は、19人目のベアトになる。
 残る全ての殺人は金蔵が担当。

 ではそれを念頭に事件を再構成してみよう。


●第一の晩
 現場は食堂。
 犠牲者は、絵羽、秀吉、留弗夫、霧江、楼座、源次。

 深夜の親族会議の時に殺されたと思われる。
 通常なら蔵臼対他の兄弟となるので、蔵臼夫妻がそこにいないのは何か訳があるのではないか。
 そこで今回は書斎から出ている金蔵を加えてみる。

 蔵臼と夏妃を追い出したのは金蔵。
 源次を傍に控えさせ、残る兄弟に何らかの話をしていた。
 勿論、そういう状況にしたのは6人を殺すため。
 源次に命じて何らかの薬を混ぜた飲み物でも飲ませ、抵抗できない5人と源次を後から現れたベアトが殺害。

 食堂にベアトが残り、内側から施錠して隠れていた。
 そして、郷田と熊沢が死体を発見し、皆に知らせるために食堂を去った後、ベアトは食堂を抜け出した。

 これで食堂に皆が揃った時に『食堂内に何者かが隠れているということもなかったよ。』と言うことができた。

 この時源次のマスターキーを壊したが、それが可能だったのは金蔵が命じたから。


●第二の晩
 現場は夏妃の部屋。犠牲者は蔵臼と夏妃。

 蔵臼と夏妃は皆から離れて夏妃の部屋に。
 責任感の強い夏妃が子供たちを放置したのは、上位者として金蔵が監督していたからだと思われる。
 後は他の兄弟たちを殺した容疑がかけられて居心地が悪かったというのもあるだろう。

 蔵臼たちは施錠をしっかりしていただろうから、夏妃の部屋に入って殺害するには顔見知りでなければならないだろう。
 よって、金蔵が訪ねたのだと思われる。
 殺害したのはその後について来たベアト。

一同は退出と同時に部屋を封印した。その退出に犯人は加われない。そして、夏妃の部屋、食堂、屋敷の全ての封印は、決して破られることはない。
犯人の定義とは、殺人者のことである。

 死体を発見して退出する“一同”に含まれる金蔵は、この時点では殺人を犯して犯人になってはならない。
 よって、第一の晩と第二の晩の犯人はベアトである。

 さてこの時、ベアトは夏妃の部屋に隠れているので、金蔵は夏妃の部屋の中を探られないようにしなければならない。
 さらには夏妃の部屋を封印し、屋敷中も封印した。
 それらが出来たのも金蔵が右代宮家の絶対命令者だから。


 ちなみに、この封印は物理的に簡単に破ることができるので、決して敗れれないのは、閉じ込められた犯人の絶対の意思ゆえ。
 つまりは、閉じ込められたままでいることで謎を作っているということ。
 犯人は上位世界でゲームになることを承知しているということ。
 そんなことができるのはベアトリーチェだけ。


●第四の晩
 現場は薔薇庭園。犠牲者は紗音と嘉音。

 紗音と嘉音がゲストハウスから出すには金蔵が命じればいい。
 屋敷の封印が破られていないか確かめるから付いて来いとか何とか。
 そして、薔薇庭園に誘い出して2人を殺害。

 2人を同時に殺し、嘉音の死体を隠したのは、上位世界視点で同一人物だと思い込ませるため。
 下位世界視点では、行方不明=容疑者と疑わせるため。

 死体は、薔薇庭園なので園芸倉庫の中に隠せば万全。
 簡単に隠すならそこらの物陰でも良い。
 生き残りのまとめているのは金蔵なので、捜索場所や捜索の切り上げなどの決定権があり、嘉音の死体を見つけさせないのは簡単だからだ。


●第五、六の晩
 現場はゲストハウス使用人室。犠牲者は郷田と熊沢。

 犯人は返り血を浴びている、だから返り血を浴びていない『いとこ4人と南條先生には、郷田さんと熊沢さんは殺せない。
 事件現場に現れなかった金蔵が犯人。
 機嫌が悪いから部屋に閉じ篭っていることにしていれば皆納得してくれるだろう。


●第七の晩
 現場はゲストハウス玄関。犠牲者は南條。

ゲストハウス内で南條先生を殺すことは不可能
南條先生がゲストハウスを出ていない証拠だ…!

 犯人はゲストハウスの外で南條を殺したが、南條はゲストハウスを出ていない。
 ならば玄関の中にいる南條を、犯人が玄関の外から殺せばいい。

ト書き『戸締りの確認に、一人でここに訪れたのは、あまりに無用心が過ぎた。

 金蔵は南條に玄関の戸締りの確認を頼んだ。
 南條は戸締りの確認のために一人で玄関を訪れた。
 その後を追った金蔵が玄関を開けて外に。
 そして、玄関を出たところで中にいる南條を射殺。
 勿論、サプレッサー付きのやつで。

 そうすることで、南條が玄関を開けて外にいる犯人を迎え入れようとしたところを殺害されたと思い込ませることができる。
 殺害後の施錠の問題があるが、これまでも密室の問題がある以上棚上げされることだろう。
 行方不明の嘉音がいる以上、疑いは外に向けられるだろう。


●第八の晩
 現場は薔薇庭園。犠牲者は朱志香。

 朱志香は外にいるだろう犯人を求め、激昂しながらゲストハウスを飛び出した。
 犯人、即ち、推定嘉音だ。
 これまで子供たちは事件について色々と議論していた。
 だから、嘉音についての話は避けて通れない。
 玄関の外から殺された風な南條の遺体がその疑いを決定付けたのではないか。
 そんなことを言われ朱志香は耐えられなくなったのだろう。
 どうして殺したのかと問い詰めたかったのか、それとも嘉音君が犯人なはずがないと証明したかったのか。
 その感情に身を任せて朱志香は外に飛び出すと想定して、先に外に出て待ち構えていた金蔵によって殺害された。
 そして戦人たちが辿り着く前に、金蔵は物陰に身を隠した。





 ベルンのゲームは答えがひとつになるように出来ているという。
 しかし、縁寿の選択では、人間とトリックで説明できる真実は2つであることが示されている。
 とは言え、考えなければ記述通りの左手→右手だけが真実だと思い込むようにできている。
 ベルンのゲームも同様だと思う。

 答えがひとつというのは、ロジックがひとつということ。
 GMが作るロジックとは、真実の上に修飾する黄金の魔法のことだ。
 よって、答えがひとつとは、人間とトリックによる幻想の答えがひとつになるように作ったということだろう。


 左手→右手と記述することで、右手→左手の可能性を考えさせない。
 同様に、戦人一家が犯人というロジックを明かすことで、他の可能性を考えさせない。

 本当に巧妙に出来ていると思う。

 第5のゲームからGMが代わったから、ベアトが犯人でないゲームになってもおかしくない。
 第6のゲームで作者が異なると示されたから、戦人に謎を解いてもらわなくても構わない。
 第7のゲームは留弗夫と霧江が犯人。だから第8のゲームの犯人が留弗夫一家が犯人であるのは不自然なことではない。

 故に、このゲームがベアトのゲームである可能性を考えない。
 ベアトが犯人である可能性を考えない。
 謎であると考えない。

 考えさせなければベアトの勝ちであるにもかかわらずに……
 だから八度繰り返されたこのゲームは、ベアトの勝ちだ。
 だからこれは、黄金の真実だ。

 私はそれを認める。



 そんなわけで、ゲーム本編の考察はこれで一応終わり。
 次は小冊子の「我らの告白」を、その次はコミック「うみねこのなく頃に 紫」の考察をするつもりだ。


  1. 2014/03/15(土) 23:12:57|
  2. エピソード8
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エピソード7 後編

 第7のゲームの事件。
 犯人は留弗夫と霧江。

 しかし、第7のゲームも当然ベアトの想定の内である以上、それは想定されていたこと。
 殺し合わせるために、銃を四丁用意したのだ。

 親族会議で争う時、絵羽と夏妃が最も激しく争うのは、これまでのゲームで共通すること。
 その時、絵羽のみ銃を持っていれば、何かの弾みでその銃の引き金が引かれ夏妃が死ぬ可能性が高い。

 一人が死ねばもう戻ることはできない。
 爆弾で証拠隠滅できる以上、目撃者も殺害するのが最善手。
 逆に目撃者からすれば、身を守るために自分以外を殺害するのが最善手。
 どうあがいても殺し合いが起こるなら、問答無用で真っ先に決断しなければならない。
 それを冷酷に計算して真っ先に決断するのは霧江だと想定するのは簡単だ。

 夏妃が殺され夫である蔵臼が激昂するのは至極当然。
 絵羽を守るため夫である秀吉がそれを押し止めようとするのも当然。
 そして組み合う時、弾みで引き金が引かれ一人が死ぬ可能性は高い。
 死ななくとも、絵羽の銃と蔵臼の銃が使われて次弾を装填する前に、装填されたままの銃を唯一持っている楼座を殺せば、霧江たちの勝ち。

 霧江は夫の銃を拝借し、まず楼座を撃つ。
 次に手強いであろう残った男(ゲームでは秀吉)の方を撃つ。
 三発目で絵羽を撃ち、四発目でベアトを撃つ。

 この時、三発目は絵羽を外している。
 霧江の持つ銃とは異なるが、この後留弗夫が使った楼座の銃は、照準が狂っていた。
 ならば霧江の銃も照準が狂っていたのではないだろうか。
 それがベアトの意図したものではないか。

 全てを想定し織り込んで意図したのならば、銃弾が絵羽を外したことは必然だ。
 いや、外さなかった可能性も想定済みだろう。
 その場合はまた別のゲーム盤になるはずだ。

 このゲーム盤では絵羽は死ななかった。
 ならば、その照準が狂った銃で撃たれたベアトは、銃弾を食らわなかったと考えられる。
 撃たれたふりは、口から血糊を溢せば足りる。
 血糊を含んでいたから、ベアトは喋らなかった。
 そして、絵羽が目覚めた時、他の屍については描かれたが、ベアトについては言及されていない。
 これはベアトが死んでいないという可能性があるということ。

 いや、ベアトという役はベアトを演じていた者に殺された。
 生き伸びられる可能性があるのは、ベアトという駒を生み出した母親だけ。

 第6のゲームまでで、偽書を書いた八城は、メッセージボトルを書いたベアトと同一だと推理できる。
 よって、ベアトを殺し生き残った母親はその後、八城になったのだと判断できる。

 このゲームは例えるならルーレットのゼロ。
 ベアトが事件を起こす他の全てのゲームに賭けられたコインを総取りし、六軒島を出てコインという名のメッセージボトルを世に流す権利を得ることができるのだから。


 ちなみに銃の照準のことだが、留弗夫が使った銃は下に外れていた。
 しかし、霧江の銃は絵羽の頭の横に外していた。
 このことから特定の銃を取らせないとならないことになる。

 銃は右代宮家の序列に従い、上位から順に手に取ることだろう。
 それも手に取りやすい手前から順番に。
 それによって、誰にどの銃を手に取らせるかを操作可能。

 手前から2番目、絵羽が手に取った、次弾が装填できない銃。
 故に、絵羽を射殺する時、確実に狙いを定めて撃つことができた。

 手前から3番目、留弗夫が手に取り、霧江が使うことになる横に逸れる銃。
 絵羽を確実に殺すため、狙いを頭に定めた故に、確実に外すことになった。

 手前から4番目、楼座が手に取った黄金の部屋で唯一使われなかった、下に逸れる銃。
 装填の手間を省くために、留弗夫は楼座の銃を使うことに。

 一番手前にあった蔵臼の銃は、後に絵羽が使うために照準は正確。

 そのように調節すれば、想定通りになるのではないかと考える。

 留弗夫vs絵羽は照準の差で絵羽が生き残り、留弗夫が殺されたことで霧江の生きる意味がなくなり、霧江vs絵羽は絵羽が生き残った。
 それらも想定通り。





 第7のゲームに分岐するフラグだが、ひとつは金蔵の死。
 蔵臼がそれについてそれに反論せず認めていることから、今回のゲーム盤では蔵臼が金蔵の死を隠していたと思われる。
 隠した理由については第5のゲーム(の金蔵死亡幻想)で説明された通り。
 ただし、第7のゲーム以外では、金蔵が死んでも蔵臼たちがそれを隠していないと考えている。
 ベアト以外の誰にも知らせないように源次に命じていたのだろう。
 よって、蔵臼たちに金蔵の死を知らせるための分岐フラグが必要となる。

 それは、他の兄弟が金蔵の死を疑い問い詰めること。
 第4、第5のゲームで金蔵の死を疑ったが、それらのゲームでは金蔵は生きている(と推理した)。
 他の金蔵が死んだのは第3のゲームだけ(と推理している)。
 だが第3のゲームでは、他の兄弟は金蔵の死を疑っていなかった。
 第7のゲームのみ、事前の金蔵の死亡、他の兄弟が金蔵の死を疑うことが両方起きたのではないか。


 整理してみよう。

 まず、親族会議の日よりも早く他の兄弟が金蔵が死んでいるのではなかと疑い、それについて探ることになる。
 これは第5のゲームと同じ。

 そして、19年前の男として夏妃に電話する前に、金蔵が死亡。
 金蔵が生存している第5のゲームから分岐して、蔵臼夫妻に金蔵の死を教えるようにベアトが源次に命令。
 第5のゲームの金蔵死亡幻想同様、蔵臼たちは金蔵の死を隠すことに。

 親族会議の日。
 第5のゲーム同様、早い段階で金蔵の死を問い詰め交渉。
 交渉内容は第4のゲームと同様。
 第4のゲームでは金蔵は生きているので提案を呑まずに引き伸ばしたが、このゲームでは金蔵が死亡しているので提案を呑まざるを得なかったと思われる。
 これで遺産分配及び蔵臼が他の兄弟に払う金について、合意が成立。

 ベアトの手紙は第3のゲームに準じ、食堂にいる子供たちをゲストハウスに戻したことで、夏妃も深夜の親族会議に参加。 
 金蔵が死んでいるという認識を共有していることから、ベアトの手紙が金蔵の介入ではないことが解る。
 よって、ベアトの手紙については早々に放置が決定。
 そして有り余った時間を碑文を解くことに費やされることに。

 他に何か考えねばならないことがないので、思考を全て碑文を解くことに費やすことができたのも大きい。
 蔵臼が何としても黄金を見つけたい状況に追い込まれているのもあるだろう。
 ベアトは碑文の謎を解く可能性が高いと想定していた。
 碑文の謎を解かなかった場合は、他のゲームに移行。


 そんな感じだったのではないかと思う。


  1. 2014/03/09(日) 01:12:25|
  2. エピソード7
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エピソード7 前編

 第7のゲームの前半部分、ヤスを表としてその裏を既にやったのでその辺は省略。
 ヤスが碑文を解いて当主になり~辺りはやってなかったと思うので、そこから始めようと思う。


 ヤスが碑文を解いて黄金を見つけたが、18人目のXが密かに六軒島に住まうには九羽鳥庵を使うしかない。
 幼い紗音を観察するために18人目のXは、九羽鳥庵と右代宮家の敷地を繋ぐ通路を使っていなくてはならない。
 ヤスは知らなかったが、18人目のXは知っていた。
 その矛盾の辻褄合わせが、ヤスが碑文を解いたという描写であると考える。
 黄金を所有し、秘密の通路を知り、碑文の謎の答えを知り、源次に対する命令権を持ち、金蔵の協力を得られた、その結果に至る過程の修飾。





 続いて、ウィルとクレルの問答について。

 ウィルがベアトの心を蔑ろにせずにするためにはどうすれば良いのか。
 私の解釈では真実は2つあり、裏にある本当の真実とその上に修飾した表となる黄金の真実がそれにあたる。
 そうなるとベアトの心は、その2つの真実に至ることを同時に叶えようとしていることになる。

 つまり、裏の真実を明白にしてしまえば表の真実を殺すことになるので、2つ同時に真実が存在できるように曖昧に答え合わせをしなければならなかった。

 ヤスを犯人とする同一説はミステリーで解けるもの。
 唯一解であるそれを裏とし、表を魔法説で飾られている。
 故に答え合わせでは、ヤスについて語られればそれで良い。

 ヤスを犯人とする同一説を表とし、その裏に本当の真実があるというものは、アンチミステリーで解くもの。
 故にヤスについて語られても、その裏で語られることで答え合わせとなる。

 つまり、真実と虚構を切り分ければ、それが答えとなる。

 幻想を暴き真実を明かすのではなく、幻想の解釈は幻想に、真実の解釈は真実に。
 簡単に言えば、幻は幻にでは表の真実、土は土にでは裏の真実を語っているという解釈。

 その解釈でウィルとクレルの問答を見てみる。


●第1のゲーム
『第1のゲーム、第一の晩。園芸倉庫に、6人の死体。』
『幻は幻に。……土には帰れぬ骸が、幻に帰る。』


 表の真実は、骸があるという幻想を暴けば、そこに骸はない。
 ならば裏は、そこに骸は確かにある。

『第1のゲーム、第二の晩。寄り添いし二人の骸は鎖で守られし密室に。』
『幻は幻に。……幻の鎖は、幻しか閉じ込めない。』


 表の真実は、チェーンによって密室になっているは嘘、犯人は外側にいて嘘をついた人物。
 ならば裏は、チェーンは確かに掛かっているため密室、犯人は中に閉じ込められている。

『第1のゲーム、第四の晩。密室書斎の老当主は灼熱の窯の中に。』
『幻は幻に。……幻の男は、あるべきところへ。』


 表の真実は、生きている金蔵は幻想、死体は最初から焼却炉の中に。
 ならば裏は、金蔵は生きていたまま、書斎から脱出した。

『第1のゲーム、第五の晩。杭に胸を捧げし少年の最後。』
『幻は幻に。……幻想の魔女と杭は、幻想しか貫けない。』


 表の真実は、嘉音と対峙した魔女はいない、故に杭に刺されたというのは嘘。
 ならば裏は、魔女は確かにいた、現実に殺すことができる。

『第1のゲーム、第六、第七、第八の晩。歌う少女の密室に横たわる3人の骸。』
『幻は幻に。……盲目なる少女が歌うは幻。密室幻想。』


 表の真実は、真里亞が語る密室は偽り、犯人は鍵を開けて扉から入ってきた。
 ならば裏は、真里亞の語る密室は本当、犯人は予め部屋の中に隠れて今正に侵入したかのように振舞った。


●第2のゲーム
『第2のゲーム、第一の晩。腹を割かれし6人は密室礼拝堂に。』
『幻は幻に。……黄金の真実が、幻の錠を閉ざす。』


 表の真実は、嘘が真実に成り代わり、錠が閉ざされていたと思い込まされた。
 ならば裏は、嘘ではなく真実、本当に錠は閉ざされていた。

『第2のゲーム、第二の晩。寄り添いし二人は、死体さえも寄り添えない。』
『幻は幻に。……役目を終えたる幻は、骸さえも残せない。』


 表の真実は、幻想である嘉音の役割は終わり、嘉音を演じていた者によって殺された。
 ならば裏は、嘉音は幻想ではない、死体は運び出された隠された。

『第2のゲーム、第四、第五、第六の晩。夏妃の密室にて生き残りし者はなし。』
『土は土に。……棺桶が密室であることに、疑問を挟む者はいない。』


 犯人は犠牲者の死体と共に棺桶の中、棺桶が密室であることに疑問を挟む者はいない。

『第2のゲーム、第七、第八の晩。赤き目の幻想に斬り殺されし二人。』
『土は土に。幻は幻に。……幻に生み出せる骸はなし。』


 表の真実は、殺したというのは幻想、故に骸はない。
 裏の真実は、骸はある、故に骸を生み出したのは幻ではなく現。


●第3のゲーム
『第3のゲーム、第一の晩。連鎖密室が繋ぎし、6人の骸。』
『幻は幻に。……輪になる密室、終わりと始まりが、重なる。』


 表の真実は、輪になる密室の終わりである紗音と始まりである嘉音が重なる。
 ならば裏は、輪ではない連鎖密室、終わりと始まりは重ならない。

『第3のゲーム、第二の晩。薔薇庭園にて親子は骸を重ねる。』
『土は土に。……語られし最期に、何の偽りもなし。』


 犠牲者の死亡と死因に偽りなし。

『第3のゲーム、第四、第五、第六の晩。屋敷にて倒れし3人の骸。』
『土は土に。……語られし最期に、何の偽りもなし。』


 犠牲者の死亡と死因に偽りなし。

『第3のゲーム、第七、第八の晩。夫婦二人は東屋にて骸を晒す。』
『土は土に。……明白なる犯人は、無常の刃を振るいたり。』


 裏には裏の犯人がいる。それは裏にとっては明白である。


●第4のゲーム
『第4のゲーム、第一の晩。食堂にて吹き荒れる虐殺の嵐。』
『幻は幻に。……黄金の真実が紡ぎ出す物語は、幻に帰る。』


 表の真実は、美装殺人の協力者が語る嘘の物語は、幻想である。
 ならば裏は、表の物語は黄金の真実、並び立つ幻想である。

『第4のゲーム、第二の晩。二人の若者は試練に挑み、共に果てる。』
『幻は幻に。……黄金の真実が紡ぎ出す物語は、幻に帰る。』


 同上。

『第4のゲーム、第四、第五、第六、第七、第八の晩。逃亡者は誰も生き残れはしない。』
『土は土に。幻は幻に。……虚構に彩られし、物言わぬ骸。』


 表の真実は、霧江が語る虚構に彩られた、物言わぬ骸。
 ならば裏は、表の真実という虚構に彩られた、物言わぬ骸。

『第4のゲーム、第九の晩。そして、誰も生き残れはしない。』
『土は土に。幻は幻に。……虚構は猫箱に閉ざされることで、真実となる。』


 表の真実は、魔法説は猫箱に閉ざされることで、真実となる。
 裏の真実は、表の真実は猫箱に閉ざされることで、真実となる。

『私は、だぁれ……?』
『幻は、幻に。……約束された死神は、魔女の意思を問わずに、物語に幕を下ろす。』


 表の真実は、金蔵が仕掛けた爆弾は、魔女の意志を問わずに、物語に幕を下ろす。
 ならば裏は、存在しないはずの18人目のXは、魔女の絶対の意志の下に、物語に幕を下ろす。


  1. 2014/03/08(土) 21:45:23|
  2. エピソード7
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エピソード6 後編

 ここからは事件の推理。


 第6のゲームは、探偵を鼻に掛けるヱリカに対する意趣返しとして偽物の事件を起こしたところ、ヱリカが本当に殺してしまったというもの。

 しかし、それは全てベアトが想定したもの。
 ヱリカが戦人を抜かした5人を殺すためには、戦人たちが偽物の事件を起こすことを想定していなければならない。

 偽装殺人が起こるのは、ヱリカが真里亞をやり込めたから。
 なら、ヱリカは偽装殺人をやる名分を与えるために、真里亞をやり込めたのだろう。

 ヱリカがベアトなのだから、真里亞がベアトを待っていた薔薇庭園に現れたヱリカは、自身がベアトであることを告げたのではないだろうか。
 つまり、ヱリカと真里亞の争いはやらせだったのではないか。
 やり込められたにしては、真里亞の復活が速かったように思われる。


 しかし、名分を作っただけでは偽装殺人は起きない。
 だれかがそうしようと提案し、皆がそれに賛同し、さらに内容がゲームに都合が良い第一の晩に見立てた偽装殺人でなければならない。

 だが、それをすることができる駒がいる。
 金蔵だ。

 偽装殺人を提案した金蔵と、偽装殺人を仕掛けられるヱリカが共謀して本当の殺人事件にしたのだ。
 それなら全てに説明が付く。


 それぞれの事件現場で、死んだふりを見破られないように死体に近づけさせないようにせず、殺す機会を与えるようにさっさと次の部屋に向かう仕掛け人たち。
 偽装殺人をするための最善の動きをしていないのは、ヱリカに殺人を犯させるためだから。

 戦人の死体がある部屋だけガムテープの封印をしたのは、戦人に密室脱出をさせるため。
 戦人の密室脱出時、ヱリカがチェーンを修復したのは、ロジックエラーの密室の謎を作るため。
 戦人がバスルームのシャワーを固定してお湯を出しっ放しにしたのは、ヱリカの気を引くため、引いてはその鋤に密室を脱出するため。
 ヱリカが戦人が隠れているクローゼットの中を確認せずにバスルームに向かったのは、戦人を脱出させるため。
 金蔵(嘉音)が救出者として密室に残るのも計画の内。

 引っ掛けられたのはヱリカではなく戦人。
 戦人が密室を脱出したら他の仲間の5人が本当に死んでいた、となる。


 ヱリカは真里亞をやり込め、それを名分に金蔵が偽装殺人でヱリカを引っ掛けることを提案。
 強権を発動させ全員に協力させた。

 ヱリカは偽装死体発見時、仕掛け人たちが先に他の部屋に向かった隙に5人を殺害して行った。
 そして唯一殺さなかった戦人の部屋に封印を施した。
 無論、後の密室脱出のため。

 ゲストハウスに集まり、ヱリカは怪しい使用人たちを分断して見張るという名目で二部屋に分かれることを提案。
 ヱリカが一人で抜け出して事件現場を調べるだろうと推測していた金蔵は、そういう提案をしてくるだろうと予測して、蔵臼たちにヱリカの提案に乗るように指示していた。
 無論それは方便で、ヱリカと金蔵は共謀して、戦人の密室脱出の状況を作り上げた。

 一人で抜け出すことに成功したヱリカは、いとこ部屋とその隣部屋を封印。
(その二部屋に閉じ込めるのは計画の内なので、窓の方は事前に封印することも可能。)
 ゲストハウスの玄関で手紙を発見。その手紙は金蔵が置いた物。
 それを読んだヱリカは、戦人の死体消失を確認するために戦人の死体がある部屋へ。

 金蔵は皆がゲストハウスにいる間に、5人の死体の首を切断。
 首を切断するには時間が掛かるので、これは金蔵の領分だと推測。
(とりあえず、ヱリカに首を切断する時間がないのであれば、その後の展開でヱリカが疑われることはなくなりそうなのがメリット。)

 封印を破り、チェーンを修復。
 戦人が予め仕掛けていたバスルームのシャワーに気を取られ、ヱリカは戦人が隠れたクローゼットを確かめずにバスルームへ。
 という台本通りにヱリカは演じた。
 その隙に戦人は密室を脱出し、救出者である金蔵と入れ替わった。
 そして、クローゼットを開けたヱリカにネタばらし。


 という展開だったのではないかと考える。


 ちなみに、第6のゲームへの分岐は、嘉音が船の到着を出迎えること。
 それを嘉音からの報告で金蔵が知れば、第6のゲームを選ぶことができる。


  1. 2014/03/02(日) 01:40:48|
  2. エピソード6
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エピソード6 前編

 第5のゲームでは、ヱリカは犯人の駒であり、作者の駒であると考察した。
 それはつまり、メッセージボトルを書いた人物が犯人であり、ヱリカという駒を作り出したということ。

 それに対し、第6のゲームでベアトは、エピソード3~6は八城十八の書いた偽書であると返した。
 それはつまり、ヱリカを生み出したのは八城十八であり、メッセージボトルを書いた犯人ではないという主張だ。

 なるほどそうきたか。
 ならば私は、メッセージボトルを書いた人物と偽書を書いた八城十八は同一人物であると主張せねばならないな。
 やっと姿を現したな、お前が犯人だ!

 これぞコミュニケーションの醍醐味というものだろう。


 まぁ、戯言は置いておいて。


 第6のゲームは、探偵を鼻に掛けるヱリカに対する意趣返しとして偽物の事件を起こしたところ、ヱリカが本当に殺してしまったというもの。
 死んだふりをさせないために、殺し直したのだとか。

 しかしその理屈は、第5のゲームで死んだふりを許してしまった故のもの。
 それを認めることは、ヱリカが他のカケラを何らかの形で認識していることを認めることになる。

 そんな人間は現実にはいない。
 故にファンタジーだ。空想の中のキャラクターだ。
 ならば、空想を現実に実現すればいい。

 現実の人間が考えた計画という名の空想。
 その空想に従い絶対の意志で現実に事件を起こす。
 それは現実が空想に支配されたということ。

 計画(空想、妄想)を実行するとはそういうこと。
 架空のキャラを演じるとはそういうこと。
 犯人にとって、事件とは劇なのだ……とは第7のゲームの先取りか。


 ちなみに、ヱリカがベアトではない場合は、そのファンタジーを許すのはGMがベアトではないから、とでもすべきだろうか。
 今回のゲームで八城も登場したので、オリジナルのメッセージボトルと偽書では作者が違うから、でも良いだろう。
 GMがベアトではないから、作者がベアトではないから、ヱリカを登場させることができた。
 よって、ベアトの殺人とヱリカの殺人は関係ない。

 だから、殺人犯であるヱリカの動機を考えるよりも、ベアトである紗音と嘉音が同一だからできた戦人の密室脱出トリックを考えようよ。
 ……と、誘導する声の幻聴が聞こえてきそう。

 逆を言えば、作者であるベアトと八城は同一人物であるなら、ベアトの殺人とヱリカの殺人は関係あることになる。


 第6のゲームは、もはや告白であるという宣言に恥じないゲームであったと思う。
 ヱリカが犯人は自分だと自白し、そして自分は存在しない人間であることを明かした。
 そしてそれは、ヱリカを犯人だと絶対の意志で保証した作者である八城十八が犯人であるという告白でもある。

 が、同時に。
 異なる人格たちの決闘による、同一説の告白でもある。

 そして、並び立つ真実の内、真に愛するものを決める恋の決闘なのである。

 だいたいこの辺は既にやったので割愛。
 とりあえず補足を幾つかやりたい。

 



 同一説を黄金の真実として生み出すには、これまでの6つのゲームで徐々に同一説であっても構わないという環境を作らなければならない。
 犯人は使用人であるとか、死んだら死体が出ないとか、幻想描写で恋愛について語ったりだとか。
 色々あるが大前提として、紗音と嘉音が戦人の前では一緒に現れないというものがある。
 これはそうなるように使用人のシフトを組めば可能だ。
 4日はそれで、5日は事件に対応する動きを想定し、戦人の前で一緒になる前にどちらかを殺して死体を隠せばいい。
 あるいは死体を見ることがない状況を作ればいい。


 同一説における動機、戦人に対する恋心の根拠として、『また来るぜ、シーユーアゲイン。きっと白馬に跨って迎えに来るぜ。』という昔の戦人の言葉を覚えていることがあげられる。
 この言葉を覚えている理由として、紗音は記憶力が良いという設定になっていた。
 しかしこれとは逆に、紗音は物覚えが悪く、メモを取るようになったという設定がある。
 これは窓を閉めたはずなのに開いていたことや物を置いたはずの場所とは違う場所に物が置いてあったことなどについてのこと。

 “物覚えが悪い”ことを真とすると、“記憶力が良い”というのは偽。
 “物覚えが悪い”のに、戦人の言葉は覚えていた。
 それは特別なことだったから。
 今もなお恋心を抱いているから。

 と、そんな理屈になると思う。
(ちなみに、“物覚えが悪い”ことの根拠となる事例が自作自演の場合は、“物覚えが悪い”ことが嘘となり覚えていることの特別感が失われてしまう。)

 逆に、“記憶力が良い”ことを真とすると、“物覚えが悪い”というのが偽。
 記憶通り、窓はちゃんと閉めたし、物も置いたはずの場所に置いていたことに間違いはない。
 なら、紗音が閉めた窓を開けた“誰か”がいて、紗音が置いた物を別の場所に置き直した“誰か”がいる。

 と、そういうことになる。
 見方によって真実は異なる顔を見せる。

 他にも、第2のゲームでの紗音とベアトの愛についての問答から、動機は恋愛であると見ることができる。
 しかし、これを恋愛=推理と見ると、“肉欲”とは見て触って確かめることができる“答え”を求めることであり、“純愛”とはそのようなことをせずとも結ばれればそれで完成するものとなる。
 これはそれぞれ怒りと悲しみであり、ゲームの目指すところ。


 ついでに18人目のXの動機に関する描写もやっておこう。
 
 譲治が紗音に告白したセリフ、
『あの日、僕を無視して遊んでいた君たち、……いや、君への復讐が。いつの間にか、本当の恋心に変わっていたんだ。』
 それと密室に閉じ込められた人物の独白、
『……きっと、向こうの部屋にみんな集まってるんだ。
 ……自分だけがたった一人、こんな寂しくて薄気味悪い部屋に閉じ込められている…。』


 これは意図的にシンクロさせているのだろう。
 どちらも自分の存在を無視されて、他のみんなは楽しく過ごしているのを見ていることしか出来ない、というもの。
 密室はロジックエラーに陥った戦人の状況と重なる。
 そして、ロジックエラーによる地獄はGM特有のもの。
 かつてベアトも味わったものだろう。
 そしてそれ故に、それらの心情の描写はベアトの心情そのものであることだろう。

 何らかの理由で仲間外れになり孤独を味わっていて、その復讐がやがて恋になった。
 恋する相手は戦人。
 つまり、戦人に恋する前からすでに復讐は始まっていたことになる。
 そしてそれは、戦人に恋する前から孤独だったということでもある。





 ひとつの物語があり、そこから読み解ける表の解釈と裏の解釈がある。
 その表と裏をすり合わせなければならないGMの苦労が偲ばれるゲームだったように思う。


  1. 2014/03/01(土) 22:28:56|
  2. エピソード6
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プロフィール

フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

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