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うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


ベアトリーチェ殺人事件

 ベアトリーチェを殺せるのは、ベアトリーチェを生み出し演じたたものだけ。
 これを前提に推理する。

ヴァンダイン二十則、第7則。死体なき事件であることを禁ず。

 事件である以上、ベアトリーチェは死んでいなければならない。
 では、いつ、どこで死んだのか。

 それについては第7のゲームにおいて、ベアトリーチェを演じていた者が独白している。
 そのシーンは、親たちが碑文を解いて黄金を見つけた直後。

『……もはや、ベアトリーチェは死んでいる。
 彼らが殺したのではない。
 運命に従い、……私が私で、殺したのだ。』


 この独白によって、これがベアトリーチェ殺人事件であることが確定する。

 さらにベアトを演じた者は、『私の望んだルーレットの結果の一つ。』とも言っている。
 それはつまり、ベアトが想定するルーレットの中に、ベアトが殺される結果が存在していたということ。


 動機を探るために、第6のゲームでの独白も引用しよう。

『あなたは今日より、私ではなくなります。
 私は今日より、あなたではなくなります。
 私たちは一つの魂を割いて、分け合おう。
 それは一つの魂には当然満たないけれど。
 きっと人より多くの夢を見させてくれる。』


 無論、魂を割いて多くの夢を見る魔法は、無限の魔法のことだ。
 ベアトリーチェは夢を託された。
 無限に惨劇を起こし、ルーレットにない奇跡を探し出すという願いを。
 六軒島にいる人間に……戦人に謎を解いてもらうという願いを。

 そのベアトリーチェを殺したということは、その夢を、願いを殺したということだ。

 そして、その願いを殺すということは、別の願いを叶えようとしているということでもある。


 六軒島にいる人間たちに事件の謎を解いてもらうという願いを断ち切ることで叶えたい願いが、ベアトリーチェを生み出した者にはあった。

 それは、島の外にいる人間に謎を解いてもらうという願い。

 島の中にいる人間には無関係であるメッセージボトルの存在こそが、それを証明している。
 「謎を解く者として選んだのは島の中の人間ならば、メッセージボトルを海に流さない」の対偶は「メッセージボトルを流したのならば、謎を解く者として選んだのは島の中の人間以外である」。

 そう、ベアトリーチェを生み出した者は、猫箱の中に閉じ込められた六軒島をベアトリーチェに託して、自身は猫箱の外に出ることにしたのだ。
 謎を解く者を探し出すために。



 これで十分だと思うが、ついでだからもうひとつ。



 「奇跡」の目が刻まれていないルーレットは、さしずめ『スタートとゴールがつながった、ドーナツみないな、壊れたすごろく』と言えるかもしれない。
 どうやればゴールに辿り着けるか描けなかった。
 そんなゲームを作ったゲームマスターは、自らが生み出した駒に任せた。

 “無限の猿の定理”
『猿が、無限の時間の中でデタラメにタイプライターを打ち続ければ。……いつか偶然にも文字列が、ハムレットとまったく文章になるかもしれないという理論、いえ、暴論ですね。』

 ゲームマスターは、自分さえ思いつかないゴールをベルンに作らせようとしたのだという。

 奇跡の魔女を生み出した彼女の主であるゲームマスターこそ、尊厳なる観劇と戯曲と傍観の魔女フェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラ。
 この二人の関係は、ベアトリーチェと彼女を生み出した母親のものとそっくりだ。
 違いは、ベアトはルーレットを作る係りで、ベルンはルーレットを回す係りということくらいだ。



 ……さあ、もう解ったことだろう。私が指摘しようとしている犯人が誰なのか。



 無限の惨劇を作り、それを自身の代わりに実行する駒を生み出し、自身の苦悩と願いをその駒に託して別の道に進んだ魔女。
 駒が演じるための戯曲を書き、そのゲームを観劇し、勝負の行く末を傍観する魔女。
 1986年の未来にて、幾つもの偽書を書いてはネットの海に流している八城幾子こそが、無限の魔女ベアトリーチェを殺害した犯人である。



 八城はベアトリーチェを殺し、殺したベアトリーチェのために物語を書いた。
 故に、八城はベアトリーチェが殺される第7のゲームの未来にしか存在しない。
 よって、八城が願いを叶えるために存在するメッセージボトルは、第7のゲーム以外の未来では海に流されなかったのではないかと思う。

 意志、思惑、動機を推理させるこのゲームにおいて、真犯人の絶対の意志こそが、このゲームをゲーム足らしめているもの。
 故に、ベアトにはそれを裏切ることはできないはず。
 ベアトが絶対の意志で惨劇を起こしているのに、同じカケラで同時にメッセージボトルで島の外の人間に願いを託すのは不純ではないかと思う。
 ……思うだけだが。

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  1. 2014/01/04(土) 21:22:29|
  2. 無限の魔法
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無限の運命における絶対と奇跡

 ルーレットはベアトの望みによって作られた以上、ルーレットに刻まれた結果は全てベアトが望んだもの。
 碑文が解かれ生存者を出そうとも、それは想定されたことで、つまりは望んだこと。
 そしてそれは、それ以外の人間を想定どおりに殺すことが、ベアトの望みであるということ。
 ルーレットを回しても、犯人を特定して犯行を止めることができずに惨劇が完遂するという結果しかでないと信じているということ。

 そこからベアトの負けとは、碑文の謎を解いて隠し通路を見つけるというものではなく、碑文に見立てた事件の謎を解かれることだと考える。


 ベアトは絶対の意志でルーレットに従う。
 ベアトの作ったルーレットには、碑文の事件の謎が解かれるという結果は刻まれていない。
 ルーレットはベアトが想定した全ての結果を刻んだもの。

 である以上、謎が解かれずに時間切れで終わるのは絶対である。
 それが悪魔のルーレットが生み出す絶対の運命。

 逆を言えば、ルーレットに刻まれていない、謎が解かれるという結果は、ベアトの想定していた運命の中にはない「奇跡」であると言える。


 ベアトの最高の望みは、謎が解かれることである。
 なのに、絶対の意志でなしていたのはその反対。
 これは矛盾だ。

 だが、人間の感情は矛盾に満ち、相反する願いを抱くこともままある。
 異なる望みがあるならば、異なる自分を作ればいい。
 謎が解かれれば望みは叶い、解かれなければ未練を断ち切れる。
 どちらも望むところなのだろう。

 それは天国と地獄に分かれるということ。
 そして、それらに分かたれることがないことが煉獄の苦しみだということなのだろう。

 つまり、どっちつかずの苦しみを終わらせるための惨劇だったのだ。




 話を戻そう。

 謎が解かれることが「奇跡」で、謎が解かれないことが「絶対」。
 たったひとつの「奇跡」のために、「絶対」の意志で「無限」に繰り返す。

 これに似たものに金蔵のタロット占いがある。

『自分の望む結果が完全に出るまで、延々とタロットを繰り返すその手間と信念、心の気持ちが祈祷に通じ、それが天に届いた時、結果となって昇華されるという、金蔵の独自の魔法解釈だ。』

 つまり、「奇跡」を出すためには、「絶対」の意志で「無限」に繰り返すことこそが肝要。
 それを「信念」とした魔法なのだ。


 信じることが魔法なら、信じる力が魔力であると言えるだろう。
 ルーレットによって魂を分かたれたベアトは、それぞれが惨劇を完遂して、自身の絶対の意志の証とする。
 そして、ベアトAの絶対の意志を、ベアトBの絶対の意志を……と、絶対の意志を無限に積み重ねたら、無限の魔力を得られる。
 そういう理屈なのだろう、この魔法理論は。




 ファンタジーな動機で、ミステリーな事件を起こし、アンチミステリーな物語に仕上げるとか。
 マジかんべん。


  1. 2013/12/29(日) 03:21:41|
  2. 無限の魔法
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無限の真実

 今回はメッセージボトルから並行世界を見てみようと思う。
 結論ありきで適当に組み上げたおまけなので適当に読んで欲しい。


 警察の見解によると、メッセージボトルは事件が起こる前に書き記されていたという。

 メッセージボトルは、六軒島で起きた事件の内容とその事件の真相を解いて欲しいと訴えるもの。
 真相を解かせようとしているなら、その前に事件の内容が真実であると主張していることになる。

 ではそれが唯一の真実だと主張しているのかと言えばそうではない。
 メッセージボトルは2つあり、それぞれ事件の内容が異なるからだ。
 そのまま取れば、真実は複数存在すると主張していることになる。

 では現実の事件がこの内容であると主張しているのだろうか。
 これも否である。
 現実において絵羽が生存している以上、絵羽が殺されているメッセージボトルの内容を現実に起こったことだと思い込ませることは不可能だ。
 そう思わせたかったのであれば、現実においてなんとしても生存者を出してはならなかった。
 そう、「絶対」に。

 だが犯人は、九羽鳥庵に通じる隠し通路をそのままにしておいたり、解けば秘密の通路に辿り着く碑文の謎を提示してしまっている。
 それは絵羽が生存する可能性を許容しているということだ。

 いや、それどころか絵羽が生存した方が都合が良かったりするやもしれない。
 絵羽が生存していれば、生存していないメッセージボトルの真実は、現実における真実ではないという主張になるからだ。

 現実における真実ではないが、それでも真実であるのだと。
 現実においては起こっていないが、それでも真実である事件なのだと。
 要するに、起こり得た事件であると。
 現実ではひとつの事件しか起きないが、本当なら幾つもの事件を起こせたのだと主張しているのだ。

 そして犯人は、現実に起こった事件を推理しろと言っているのではない。
 現実には起こらなかったが、起こり得た事件を推理して欲しいと言っているのだ。

 それらの事件は犯人の心の中にしかないのだが、だからこそ心を推理して欲しいと言っているのだろう。
 そして、その心の中にしかない事件を見える形にして書き出したのがメッセージボトルなのだ。



 ちなみに、絵羽生存が都合が良かったのならば、メッセージボトルは絵羽生存が確定した後に海へと放り投げられた可能性が出てくる。


  1. 2013/12/29(日) 01:21:07|
  2. 無限の魔法
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無限の魔女

 今回からはベアトのもうひとつの魔法、「無限の魔法」についての考察となる。
 第7のゲームで説明されているので、これは不要なのかもしれないが、この後の前置きなので我慢していただきたい。


 第1のゲームにおいて、ベアトについてのヒントをベルンカステルからもらっている。
 曰く、「一人を百殺すのが無限の魔女」
 またそれに対比するために、「一人を必ず殺すのが絶対の魔女」とも言っていた。

 絶対の魔女の魔法は、絶対の意志が絶対の結果を紡ぎ出す絶対の魔法であるので、百を殺すとはベアトの意志が百の結果を紡ぎ出すことだと推察できる。

 そしてベルンカステルはこうも言っている。

『全ての目が、貴女の掌を出ない』
『サイコロが何の目を見せようとも“必ず”貴女は満足する』


 それらも加味するとこうなる。
 ベアトの意志が生み出した百の結果の内のどれが紡ぎ出されようとも満足する、と。
 そして、ベアトの掌からはみ出る目は存在しない、と。

 つまり、ルーレットが出す百の結果はベアトが作ったもので、全ての結果はルーレットの内に納まる。
 島の人間がどう思いどう行動しようが、全ては想定の内。
 全ての可能性は、無限の魔女の掌から出ることはないのだと。
 そう豪語しているのだ。
 そして豪語する以上、信じるに足るだけの根拠を自分なりに積み上げた上で創造したのだろう。

 無論これはベアトの意志が紡ぎだした想像、想定、予測、計画でしかない。
 必ずしもそれが現実になるとは限らない。
 しかし、ベアトは信じている。
 信じることが魔法であり、魔法を叶えるのが魔女なのだから。

 犯人が魔法を基盤に行動を起こすなら、犯人にとってはそれが真実。
 そして、犯人の信じる真実を解き明かすことがこのゲームの趣旨である以上、それが解くべき「真実」となるのだ。



 現実に存在する人間を写した駒を惨劇に閉じ込めた悪魔のルーレット。
 出た目に合わせて、ゲーム盤が選ばれ、惨劇が実行される。
 それぞれの目に刻まれた惨劇がベアトの叶えるべき目標。叶えるべき夢。

 だが、人一人を殺すのは一度しか行えない。
 人一人が一度に叶えられる夢は一つだけ。

 目標が異なれば、行動も異なる。
 異なる行動を起こす自分は、もはや別人と言っていい。
 だからベアトは魂を分けたのだ。
 異なる夢を同時に叶えるために、異なる自分を生み出した。
 そのためのルーレット。

 1の出目なら、ベアトAが第1のゲーム盤を。
 2の出目なら、ベアトBが第2のゲーム盤を。
 3の出目なら~、
 4の~、
 …………

 それこそが、無限の願いが無限の結果を紡ぎ出す、無限の魔法。
 有体に言えば、並行世界を生み出す魔法である。

 そして、全てのベアトの集合体こそが、無限の魔女ベアトリーチェ。


  1. 2013/12/28(土) 23:18:43|
  2. 無限の魔法
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プロフィール

フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

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