FC2ブログ

うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


エピソード8

 ベルンがGMを務めた第8のゲーム。
 ヒントと共に解いていけば、戦人が嘘を吐いているという結論に達する。
 紗音が死ねば、嘉音も死ぬ。同一説が肯定されている。
 第一の晩発覚後『全員が食堂に集まった。』と蔵臼が宣言した。
 それに異論を挟む者もいなかった。
 それはその場にいた全員が共通している認識だということ。
 つまり、戦人も紗音と嘉音の事情を知っていた。


 それを私は認めることができない。


 それが真実なら、今回のゲームの犯人はベアトではない。
 GMが違えば犯人も異なるという理屈なのだろうか。
 確かに、GMが代わってから、同一説ではベアトは殺人を犯していない。

 戦人が犯人では、戦人に解いてもらうための事件ではないことになってしまう。
 作者が異なるから、ベアトが解いてもらいたい謎でなくても良いということだろうか。

 戦人が紗音と嘉音の事情を知っているなら、ベアトが謎を出す必要がない。
 戦人が解くべき謎がないのであれば、もはやこれはベアトのゲームではない。
 そう、ベアトのゲームでないから自由に設定を変更できる。


 第4のゲームに倣い、こう言おう。

 私はベアトリーチェと戦うためにこのゲームを引き受けた。
 正確には、ベアトリーチェという駒を生み出した者。メッセージボトルの作者と戦うためだが。

 復唱要求。
 これはベアトのゲームである。
 これは戦人に解いてもらうための謎である。

 復唱できないなら、それは“私のベアトリーチェ”でない。
 私は私の対戦相手が“私のベアトリーチェ”であると信じる。


 故に、戦人一家犯人説は却下。
 それをこのゲームの本当の真実としたら、それは“私のベアトリーチェ”を殺すことになってしまう。
 私がすべきことは“幻想のベアトリーチェ”を殺すことあり、“私のベアトリーチェ”を信じて守ることなのだ。

 ヱリカが主張した譲治一家犯人説も却下。
 可能性は否定できないが、親族会議前に譲治が殺人を犯したという手掛かりはないからだ。

 そもそも戦人一家犯人説は、嘘を吐いている人物を特定するために、嘘を吐いていない人物を除いて行くというアプローチをした結果、戦人以外は嘘を吐いていないという結果のもの。
 ヱリカはそこから、戦人の他にも嘘が吐ける人物がいるのではというアプローチをして、譲治が嘘を付けると主張した。

 ヱリカはアンチミステリーを作り上げる駒なので、そのアプローチは間違っていると見るべきだ。
 なのでその逆、戦人も含め誰も嘘を吐いていない可能性を探るべきだろう。


 戦人も嘘を吐いていないのであれば、留弗夫と霧江は死亡しているので犯人ではないことになる。
 そして、戦人にベアトの謎を解いてもらうためには、戦人も犯人ではないことが望ましい。

 そうなると、嘉音と紗音をそれぞれ一人と数えるとして、金蔵を抜かした17人以外が犯人となる。
 犯人の内、一人は夏妃の部屋に閉じ込められるので、犯人は最低2人。
 つまり、登場人物が19人いればいい。

 『犯人は登場人物の中にいる。』が、登場人物の内訳は確定していない。
 これまでのゲームで「登場人物」に言及していたのは、ノックス第1条「犯人は物語当初の登場人物以外を禁ず」くらいだ。
 第1のゲームで六軒島の中で登場した人物は、金蔵を含めた18人に、肖像画の前に現れた肖像画と同じ姿の人物。
 肖像画と同じ姿の人物は、18人の中の誰かの変装の可能性があると同時に、18人以外の人物の可能性も並び立つ。
 つまりノックスに従うなら、登場人物は19人までいる可能性があることになる。

 このゲームにおいて登場人物の内訳を確定しなかったのは、表向きは紗音と嘉音が同一によるものであるためという名目で、裏向きの19人というのを隠すため。





 第一の晩発覚後『全員が食堂に集まった。
 この“全員”は蔵臼が認識していた“全員”。
 19人目のベアトのことは認識しておらず、金蔵が生きているなら金蔵も含む。
 金蔵は生きていることが前提なので、この時金蔵も食堂にいたことになる。
 その後も金蔵は戦人たちと共に行動することになるので、夏妃の部屋に閉じ込められた第一の晩と第二の晩の犯人は、19人目のベアトになる。
 残る全ての殺人は金蔵が担当。

 ではそれを念頭に事件を再構成してみよう。


●第一の晩
 現場は食堂。
 犠牲者は、絵羽、秀吉、留弗夫、霧江、楼座、源次。

 深夜の親族会議の時に殺されたと思われる。
 通常なら蔵臼対他の兄弟となるので、蔵臼夫妻がそこにいないのは何か訳があるのではないか。
 そこで今回は書斎から出ている金蔵を加えてみる。

 蔵臼と夏妃を追い出したのは金蔵。
 源次を傍に控えさせ、残る兄弟に何らかの話をしていた。
 勿論、そういう状況にしたのは6人を殺すため。
 源次に命じて何らかの薬を混ぜた飲み物でも飲ませ、抵抗できない5人と源次を後から現れたベアトが殺害。

 食堂にベアトが残り、内側から施錠して隠れていた。
 そして、郷田と熊沢が死体を発見し、皆に知らせるために食堂を去った後、ベアトは食堂を抜け出した。

 これで食堂に皆が揃った時に『食堂内に何者かが隠れているということもなかったよ。』と言うことができた。

 この時源次のマスターキーを壊したが、それが可能だったのは金蔵が命じたから。


●第二の晩
 現場は夏妃の部屋。犠牲者は蔵臼と夏妃。

 蔵臼と夏妃は皆から離れて夏妃の部屋に。
 責任感の強い夏妃が子供たちを放置したのは、上位者として金蔵が監督していたからだと思われる。
 後は他の兄弟たちを殺した容疑がかけられて居心地が悪かったというのもあるだろう。

 蔵臼たちは施錠をしっかりしていただろうから、夏妃の部屋に入って殺害するには顔見知りでなければならないだろう。
 よって、金蔵が訪ねたのだと思われる。
 殺害したのはその後について来たベアト。

一同は退出と同時に部屋を封印した。その退出に犯人は加われない。そして、夏妃の部屋、食堂、屋敷の全ての封印は、決して破られることはない。
犯人の定義とは、殺人者のことである。

 死体を発見して退出する“一同”に含まれる金蔵は、この時点では殺人を犯して犯人になってはならない。
 よって、第一の晩と第二の晩の犯人はベアトである。

 さてこの時、ベアトは夏妃の部屋に隠れているので、金蔵は夏妃の部屋の中を探られないようにしなければならない。
 さらには夏妃の部屋を封印し、屋敷中も封印した。
 それらが出来たのも金蔵が右代宮家の絶対命令者だから。


 ちなみに、この封印は物理的に簡単に破ることができるので、決して敗れれないのは、閉じ込められた犯人の絶対の意思ゆえ。
 つまりは、閉じ込められたままでいることで謎を作っているということ。
 犯人は上位世界でゲームになることを承知しているということ。
 そんなことができるのはベアトリーチェだけ。


●第四の晩
 現場は薔薇庭園。犠牲者は紗音と嘉音。

 紗音と嘉音がゲストハウスから出すには金蔵が命じればいい。
 屋敷の封印が破られていないか確かめるから付いて来いとか何とか。
 そして、薔薇庭園に誘い出して2人を殺害。

 2人を同時に殺し、嘉音の死体を隠したのは、上位世界視点で同一人物だと思い込ませるため。
 下位世界視点では、行方不明=容疑者と疑わせるため。

 死体は、薔薇庭園なので園芸倉庫の中に隠せば万全。
 簡単に隠すならそこらの物陰でも良い。
 生き残りのまとめているのは金蔵なので、捜索場所や捜索の切り上げなどの決定権があり、嘉音の死体を見つけさせないのは簡単だからだ。


●第五、六の晩
 現場はゲストハウス使用人室。犠牲者は郷田と熊沢。

 犯人は返り血を浴びている、だから返り血を浴びていない『いとこ4人と南條先生には、郷田さんと熊沢さんは殺せない。
 事件現場に現れなかった金蔵が犯人。
 機嫌が悪いから部屋に閉じ篭っていることにしていれば皆納得してくれるだろう。


●第七の晩
 現場はゲストハウス玄関。犠牲者は南條。

ゲストハウス内で南條先生を殺すことは不可能
南條先生がゲストハウスを出ていない証拠だ…!

 犯人はゲストハウスの外で南條を殺したが、南條はゲストハウスを出ていない。
 ならば玄関の中にいる南條を、犯人が玄関の外から殺せばいい。

ト書き『戸締りの確認に、一人でここに訪れたのは、あまりに無用心が過ぎた。

 金蔵は南條に玄関の戸締りの確認を頼んだ。
 南條は戸締りの確認のために一人で玄関を訪れた。
 その後を追った金蔵が玄関を開けて外に。
 そして、玄関を出たところで中にいる南條を射殺。
 勿論、サプレッサー付きのやつで。

 そうすることで、南條が玄関を開けて外にいる犯人を迎え入れようとしたところを殺害されたと思い込ませることができる。
 殺害後の施錠の問題があるが、これまでも密室の問題がある以上棚上げされることだろう。
 行方不明の嘉音がいる以上、疑いは外に向けられるだろう。


●第八の晩
 現場は薔薇庭園。犠牲者は朱志香。

 朱志香は外にいるだろう犯人を求め、激昂しながらゲストハウスを飛び出した。
 犯人、即ち、推定嘉音だ。
 これまで子供たちは事件について色々と議論していた。
 だから、嘉音についての話は避けて通れない。
 玄関の外から殺された風な南條の遺体がその疑いを決定付けたのではないか。
 そんなことを言われ朱志香は耐えられなくなったのだろう。
 どうして殺したのかと問い詰めたかったのか、それとも嘉音君が犯人なはずがないと証明したかったのか。
 その感情に身を任せて朱志香は外に飛び出すと想定して、先に外に出て待ち構えていた金蔵によって殺害された。
 そして戦人たちが辿り着く前に、金蔵は物陰に身を隠した。





 ベルンのゲームは答えがひとつになるように出来ているという。
 しかし、縁寿の選択では、人間とトリックで説明できる真実は2つであることが示されている。
 とは言え、考えなければ記述通りの左手→右手だけが真実だと思い込むようにできている。
 ベルンのゲームも同様だと思う。

 答えがひとつというのは、ロジックがひとつということ。
 GMが作るロジックとは、真実の上に修飾する黄金の魔法のことだ。
 よって、答えがひとつとは、人間とトリックによる幻想の答えがひとつになるように作ったということだろう。


 左手→右手と記述することで、右手→左手の可能性を考えさせない。
 同様に、戦人一家が犯人というロジックを明かすことで、他の可能性を考えさせない。

 本当に巧妙に出来ていると思う。

 第5のゲームからGMが代わったから、ベアトが犯人でないゲームになってもおかしくない。
 第6のゲームで作者が異なると示されたから、戦人に謎を解いてもらわなくても構わない。
 第7のゲームは留弗夫と霧江が犯人。だから第8のゲームの犯人が留弗夫一家が犯人であるのは不自然なことではない。

 故に、このゲームがベアトのゲームである可能性を考えない。
 ベアトが犯人である可能性を考えない。
 謎であると考えない。

 考えさせなければベアトの勝ちであるにもかかわらずに……
 だから八度繰り返されたこのゲームは、ベアトの勝ちだ。
 だからこれは、黄金の真実だ。

 私はそれを認める。



 そんなわけで、ゲーム本編の考察はこれで一応終わり。
 次は小冊子の「我らの告白」を、その次はコミック「うみねこのなく頃に 紫」の考察をするつもりだ。


スポンサーサイト



  1. 2014/03/15(土) 23:12:57|
  2. エピソード8
  3. | trackback 0
  4. | comment 0

NEW ENTRY | BLOG TOP |  OLD ENTRY

プロフィール

フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

現在時刻

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

咲 (3)

来訪者数

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR

Designed by U-BOX