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うみねこのなく頃に 考察 境界より視やる

PCゲーム「うみねこのなく頃に」の個人的な考察ブログ。「キコニアのなく頃に」についてもガッツリやっている。


エピソード2 後編

 第2のゲームをどうやって想定して計画したのか。

 とりあえず抑えておくべきは、譲治たちが夏妃の部屋に向かった理由。
 提示されている理由は、夏妃の霊鏡を取りに行くためというもの。
 それ以外の理由の手掛かりはないように思われる。
 よって、その理由であるのは間違いないだろうことから、その理由が嘘か本当かによって虚実が分かれる

 私の立場は、譲治たちは純粋な被害者であるというもの。
 なので、紗音が霊鏡を割ったことでベアトの力が復活して惨劇が起きてしまったということを、信じてしまっているのだと、そう信じねばならない。
 そこから始める。


●魔女との交流

 事件が起こる前に紗音がベアトと出会い交流していた。
 これを全て幻想であり、妄想であるとするのは簡単だ。
 だが、人間に可能な部分は人間とトリックで説明するべきだろう。

 前提として、使用人の間ではベアトの怪談がまことしやかに噂されていて、紗音はそれを信じている方の人間だった、というのがある。
 なので、ベアトが紗音の前に現れても、ベアトの姿をした人間とは見ず、魔女ベアトリーチェとして認識する。
 特に、心が弱っているところに甘言を囁いたのは良く効いたはずだ。

 結果を得るには行動しなければならない。
 行動するには意志を持たなければならない。
 意志を持つには信じることから始めなければならない。

 紗音は譲治と結ばれることができるとは信じられなかった。だが信じたかった。
 信じたい物の前に信じたいものをぶら下げれば、何れ飛びつくことになるのは必定。
 それも猶予を与えることで、自ら選び取るようにした。
 自ら選び取ったものを反故にするのは難しい。
 なにしろ過去の自分を否定する行為なのだから。
 
 そして去る時、紗音と嘉音に痣を残し、夢幻ではなく現実に体験したことだと強く認識させた。
 痣を付けた蝶は過程に幻想を修飾したもの。
 現実では、煙管で軽い火傷を負わせたといったところだろう。

 結果、紗音は霊鏡を割った。
 それはベアトが語った設定を受け入れたということ。
 これが遠因となって、夏妃の部屋に霊鏡を取りに行くことになった。


 その後、紗音はベアトと会うこともあり、その度に交流した。
 でもそれは全部ベアト側からの接触。
 それはつまり、準備万端で待ち伏せできたということ。

 薔薇庭園で薔薇のアーチの上に座って登場などは、そこで座って待っていればいい。
 板状の物でも設置すれば、薔薇を潰さずに座れるかもしれない。
 まぁ、そこまではやっていないかもしれないが、薔薇が潰れたら後で源次辺りにでも直させるか誤魔化せるように整えれば大丈夫だろう。

 その後に海岸に移動。
 テーブルは予め設置しておけば準備完了。
 ルーレットの結果、使われないならそれはそれでいい。
 お茶会終了は、紗音が仕事に戻る時なので、テーブルは紗音が去った後に片付ければいい。
 魔法でテーブルを消したのは修飾された幻想。

 魔法を見る観客は、舞台の上で繰り広げられる劇だけ見ればいい。
 舞台の準備やら片付けなど、見れば台無しの部分は見せるわけがない。

 嘉音が目撃した、ベアトの姿が見えない金蔵は、現実にあったこと。
 ただ、金蔵にはベアトが見えていないというのが嘘。
 見えていなふりをすることで、ベアトは波長の合った人にしか見えない、という幻想を信じさせた。

 紗音が目撃したと回想していた、夏妃にはベアトが見えない、というのはそれ自体が幻想だと判断。
 理由としては、金蔵と夏妃で二重になっているので、片方はなくても構わないというのが1つ。
 金蔵がベアトの姿が見えないという設定は第1のゲームで金蔵自身が言っていたという手掛かりがあるのに対し、夏妃のは他に手掛かりが存在しないというのが1つ。
(第5のゲームでの、夏妃とベアトの交流は全て幻想。金蔵が生きている以上、金蔵が死んでいるという幻想が修飾されていただけ)
 まぁ、夏妃がベアトのことを知っていたら、他のゲームが破綻しそうというのが最大の理由なのだが。


●第一の晩 礼拝堂のハロウィンパーティー

 第2のゲームと第1のゲームは、薔薇庭園に着いたところからすでに異なっている。
 真里亞がハロウィンのお菓子を持っているか、いないかによって違ってしまったのだろう。
 よって分岐はそこにあるだろうことが解る。

 楼座たちは、駅にある店で朝食を食べた。
(エピソード4を見る限り、楼座は食事を外食で済ませることが多いらしい)
 駅にある店は幾つかあるだろうから、その中でハロウィンをやっている店に偶然に入ったのかもしれない。
 その場合は、その駅にある店のことを把握すれば偶然を想定できる。

 あるいはその後、真里亞の機嫌を取るために、途中の駅の近くでハロウィンのお菓子を探して見つけられるかどうかの偶然なのかもしれない。
 とりあえずそのことを想定しておけば、途中の駅近くで売っているハロウィンのお菓子を予め用意しておくことは可能だろう。

 真里亞に、薔薇庭園で楼座に怒られたらそこで会うことを約束しておけば、真里亞はそこでベアトを待つだろう。
 第2のゲームでは、ゲストハウスに辿り着く前だった。
 きっとそこで怒られなかったら別のゲーム盤に移行していたのだろう。
 とりあえず、ハロウィンのお菓子を手に入れたのなら、薔薇庭園で皆に配れとでも真里亞に言っておけば、高確率でなるのかもしれない。どうなのだろうか。


 そして、来客として現れたベアトは、楼座と真里亞に封筒を渡して屋敷の中へ。
 貴賓室に泊まり、昼食と夕食で紗音と嘉音に顔を見せ、力を取り戻して屋敷に現れたのだと見せ付けた。
 このことが原因で、第1のゲームとは異なり、紗音は譲治のプロポーズを受けることを即断することになる。


 夕食後、楼座が手紙を読んだはず。
 これは礼拝堂への招待状だと思われる。

 礼拝堂にて、親たちに黄金のインゴットを見せ、黄金の管理人だと信じさせた。
 その折には、蔵臼が所持しているインゴットも持ち寄らせ、本物かどうかを見比べさせる程度はしたのではないかと思う。
 そして、黄金を餌に、魔女だと認めさせた。

 ここからは推測になるが、6人を同時に殺害していることから、パーティーの飲食物に睡眠薬でも混ぜていたのではないかと思う。
 となると、同席していたであろう楼座は殺されず、睡眠薬で寝ていたところをゲストハウスに運び込まれたと考えるべきだろうか。
 そうだとするなら、礼拝堂の事件を知った楼座は、すごく警戒することになったと思われる。

 礼拝堂の鍵については、真里亞に渡してあった封筒から取り出して使い、その後に元に戻した。


●第二の晩

 礼拝堂の事件を金蔵に報告しなくてはならないので、源次と紗音を向かわせた。
 使用人のトップであり金蔵の信頼が厚い源次を選ぶのは当然。
 だが殺人犯がいる中で一人では危険なので、その次の序列の紗音がお供に選ばれるのも自然の成り行き。

 だから、親が殺されたことで最も熱くなり易い朱志香が暴走して、最も怪しい来客ベアトのもとへ向かった時、同行させる使用人は嘉音と郷田しか残らなかった。


 貴賓室に朱志香が向かうことを想定していたので、貴賓室に手紙を残すことができた。
 その手紙を読んで朱志香は激昂。喘息の発作を引き起こし、自室へ。

 朱志香の両親が死亡したことで、朱志香には頼れるものはいない。
 それに対して、自分が何とか支えなければ、と嘉音が奮起する可能性が高いと読んだのだろう。
 そうなると、嘉音は郷田に自分に任せて欲しいと訴えることになる。
 だから、朱志香の部屋に入るのは朱志香と嘉音の2人だと想定した。

『…あの、………お嬢様はご自分の部屋に施錠される習慣はあまりありませんでした。ただ、学校に行かれる時だけは、旦那様などに勝手に部屋を見られたくないと言って施錠されていたようですが…。』

 学校もなく、親族会議中に娘の部屋を検めることもないだろうことから、朱志香は自室に鍵を掛けていなかったと思われる。
 なので、朱志香と嘉音が鍵を使って朱志香の部屋に入ったという描写は幻想であると判断する。
 これにより、犯人である来客ベアトが朱志香の部屋に予め潜んでいることができることになる。

 第1のゲームの絵羽と秀吉は、真正面から額を撃たれた。
 真正面から向かったので、一対一になるように秀吉がバスルームに入るまで待った。
 それに対し、今回の朱志香は背中に杭を刺されていた。
 これは2対1だから不意を突いたからだと推測する。
 嘉音の遺体を隠したのは、犯人のスケープゴートにするためであり、同時に幾つかのゲームを重ね合わせて見ることで紗音と嘉音が同一であると推理させるためでもある。

 後は、既に書いたが、嘉音のマスターキーと貴賓室の鍵を入れ替えることで、源次から嘘の証言を引き出させ、密室にすることで使用人を疑わせるように仕向けた。

 嘉音と朱志香の恋模様については見たままでいいと思う。
 紗音の恋を見た朱志香は、自分も恋がしたいと思い、身近な異性である嘉音を意識することに。
 紗音に取り持ってもらいながら仲を深めようとし、ついには思いの丈を告白することになる。
 だが嘉音はそれを断る。
 それは、嘉音は金蔵の目となって監視する汚い役目が課せられていて、潔癖な嘉音はそのことで自身を、汚い役目をこなさなくてはならない家具であると感じているからだ。
 しかし、朱志香の気持ちに応えられないことに忸怩たる思いを抱くことになる。

 この流れは十分想定できた。
 だからルーレット次第では準備段階でその目を揃える可能性はあった。
 そして、これらは過去のできごとなので、その結果を踏まえた惨劇が計画されることになったのだと思う。


●使用人室の嘉音の幻想

 食事の支度と、楼座が信用できない使用人と外様の南條を追い出しておきたいことから、使用人と南條が厨房にいることを想定。
 嘉音の格好をして、血糊で顔を隠し、救急箱がある使用人室へと急がせた。
 そしてそこで、近くにいる南條と熊沢を素早く殺害。
 使用人室を出て、生き残りが使用人室を去るのを待って使用人室に戻り、南條と熊沢の死体を中庭に運んだ。

 この際、事件の報告で、犯人の正体について説明し辛いことから、報告が長引くことを予測できたので、運び出す時間は十分だったのではないかと思う。


●第四~六の晩 夏妃の霊鏡

 本格的に楼座に疑われた使用人たちは追い出され、紗音と将来を誓った譲治も共にすることになった。
 これは紗音がプロポーズを受けていたためであり、ひいては紗音の決断を促した来客ベアトが現れたためである。

 そして紗音は譲治に、ベアトの言い成りとなって霊鏡を壊したから、ベアトが惨劇を起こしているのだと信じていることを告白、
 譲治はその紗音の心を軽くするため、ひいては自責の念から心を守るために、夏妃の霊鏡を手に入れることを提案。
 譲治は他人の信じているものを否定せずに、それに沿いながら説得することに長けている。
 逆を言えば、そう選択することを想定するのは簡単であるということでもある。
 だから、夏妃の部屋の中で待ち伏せることが可能だった。


●中庭の死体発見~客間の手紙

 これについてはすでに書いてある通り。
 職務に忠実な源次は、いつでも拝命できるように一人厨房に残り、決められた時間に屋敷の見回りをする。
 だから、中庭に死体を置けば自動的に発見し報告することになる。
 楼座たちは中庭に向かうため客間は空になり、その隙をついてベアトはマスターキーを使って手紙を置いた。

 楼座たちは中庭の死体の状態から、譲治たちの危機を悟り、譲治たちが向かった夏妃の部屋へ。
 ベアトは手紙を置いたらすぐさま夏妃の部屋へ先回り。
 使用済みのマスターキーを、夏妃の鍵だと錯覚させて楼座に回収させ、死体に注目している隙に密室を脱出。
 その際、源次は見て見ぬふり。真里亞は魔女の魔法と解釈。

 客間に戻った楼座たちは、密室だった客まで手紙を発見。
 互いが互いを疑う修羅場に。
 楼座視点、手紙を置いたのは戦人で確定。
 銃を撃つことに躊躇いはなかったことだろう。
 たぶん、真里亞がとりなしする直前の雷の音が、銃声だったのではないだろうか。
 戦人はこの時に亡くなったのだと思う。

 死んでいたので、その後は何も見ていない。
 なので、その後の戦人視点は幻想となる。
 書斎で蝶が乱舞していようが、山羊に食われようが、幻想なので当然のこと。

(後は爆発で全員死亡)


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  1. 2014/02/02(日) 01:38:10|
  2. エピソード2
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エピソード2 前編

 第二のゲームは、マスターキー関連で使用人が容疑者に。
 これについては戦人が言うように、使用人には、使用人のみが犯行が可能であると示す状況は作るはずがない。普通なら。
 それで確定ではないが、一度疑いを使用人に振った以上、その反対の方で筋が通ったものができたら、そっちの方が真実である可能性は高くなる。
 そんなわけで使用人以外の犯行という線で推理する。


●朱志香の部屋の密室

出入りはこの扉からだけだ
扉の施錠は、朱志香の鍵が一本と使用人たちが一本ずつ持つマスターキーのみ
朱志香の死体発見時、朱志香の部屋にいたのは、戦人、譲治、真里亞、楼座、源次、郷田、紗音、熊沢、南條のみだった

 密室発見時、犯人は密室の中にはいなかった。
 犯人が密室の外にいる以上、外から鍵を掛けなければ密室は作れない。


 朱志香の鍵は楼座がサイドテーブルから発見した。
 なので、楼座が嘘を吐いていて、元々所持していた朱志香の鍵を、サイドテーブルにあったふりをしたという可能性がある。
 が、そのトリックではこの後の密室形成には関係なく、この後の事件で楼座にはアリバイが成立するので、使用人が共犯でなければならなくなる。
 楼座が犯人であれば、使用人も犯人であるとなる。
 よって、使用人は犯人ではないと見る方針を取っている以上、楼座犯人説は考慮する必要はない。
 楼座が犯人でないのなら、楼座が使って確かめた朱志香の鍵は本物となる。


 マスターキーは使用人が所持。
 使用人が犯人ではないのならば、使用人以外の人間がマスターキーを奪ったことになる。
 奪えるマスターキーは嘉音の所持していた物だけ。
 しかし、その「鍵」は朱志香のポケットから発見された。
 発見者は、南條。
 その鍵が本物だと証言したのは、源次。

 南條なら、鍵を朱志香のポケット取り出したふりをして、自身が持っていた鍵を取り出すことが可能。
 源次なら、異なる鍵をマスターキーだと嘘の証言が可能。
 そのどちらかなら、マスターキーを使って朱志香の部屋を密室に出来る。
 両者の違いは、朱志香の密室の後もマスターキーを所持しているかどうかだ。
 その後の密室も、マスターキーがなければ密室にはできないので、源次が嘘の証言をした方を選んでみよう。


 何故、源次は嘘を吐いたのか。
 源次は使用人。使用人である以上、源次は犯人ではない。
 犯人ではないので、自分以外の犯人のために嘘を吐いたということになる。
 つまり、犯人を庇ったのだ。

 源次は犯人ではない。なので、源次は共犯を庇ったのではない。
 共犯でないのなら、何故庇ったのか。
 それについては源次という駒の役割を見れば解る。
 源次は金蔵に忠実な使用人。自らを家具とまで称し、自分の意見を挟まない。
 主である金蔵のことなら庇うはずだ。

 だが、事件当時の金蔵にはアリバイがある。源次と紗音と共に書斎にいた。
 これが嘘だとすると、使用人と共犯になってしまうのでこの可能性は却下。

 そこで次の手掛かり。

『その人物は、非常に稀な賓客らしく、当主であるお館様と同格の扱いをするようにきつく厳命されておりました。』

 来客ベアトは金蔵と同格の扱いを受けるので、金蔵を庇うように、源次はベアトも庇うことだろう。
 だから、ベアトが犯人であると源次に示さば、後は勝手に庇ってくれる。

 嘉音のマスターキーの代わりとなった鍵。
 それがベアトが宿泊した部屋、貴賓室の鍵であったのなら、源次はその鍵をマスターキーに間違いないと偽らねばならない。
 本当のことを証言してしまえば、ベアトは犯人として糾弾されることになる。
 それは源次にとって絶対に避けねばならないことだろう。

 それを読んでいたベアトには、その密室トリックを仕掛けることが可能である。


●使用人室の密室

 密室の状況は、上に同じ。
 よって、手に入れたマスターキーがあれば可能。

 問題は誰が犯人なのか。
 客間にいた人物にはアリバイがある。
 使用人は方針的に除外。
 残るは、金蔵とベアト。

 とりあえず源次と郷田の証言を見よう。

『確かにその、…それは私たちの目の前で起こりました! 私の目の前にいた! だけれど、……あれはその、………何だったんだ…。私にもわからないんですッ!』
『…そ、そうです。勝手口に誰かがやって来たんです。そして、誰だろうと、私は扉を開けました…。』
『………そいつは、血塗れで、大怪我をしていました。…私たちは使用人室に運び、すぐに南條先生が手当てをしました。……その、とても深い傷でした。』

『…………初め、…私たちはその人物が、嘉音であると信じました。』
『はい。………その後に起こったことは、口では説明できません。……南條先生と熊沢を殺し、……そして姿を消しました。その時、彼は間違いなく嘉音ではありませんでした。』


 まとめると、
 犯人は厨房の勝手口に現れた。
 犯人は怪我をしていた(ように見えた)。
 犯人を使用人室に運び、南條が手当てをした。
 郷田の主観では深い傷だった。しかし、手当ては南條がしているので、どのくらいの傷かは南條にしか解らないはず。
 使用人たちは、犯人を最初、嘉音であると信じた。しかし、その後は嘉音ではないと考えている。
 ……こんな感じか。

 使用人が犯人ではない方針なので、証言はとりあえず信じることにする。
 最初に嘉音だと信じたのならば、犯人は嘉音の変装をしていたことになる。
 が、変装しただけで嘉音であると見間違えるはずがない。

 そこで犯人が怪我をしているふりをしていることに注目。
 その怪我は素人の郷田に深い傷だったと思わせるほどのもの。
 単純に考えれば、出血が激しかったということだろう。
 その出血により、顔が隠されていたとなれば、顔を目撃できないのではないだろうか。

 犯人は血糊、あるいは嘉音の死体から血を絞り出し、それを頭から被った。
 頭や顔は血塗れで、手で傷を押さえたふりをすれば、とっさには嘉音だと思わせることはできるだろう。
 医者の南條がいるので、緊急に手当てしなければならないと判断したであろうことから、真偽など棚上げにしてまずは手当てとなるはず。
 そして使用人室に着いて、南條が手当てを始める。
 この時、経験豊富で世話焼きの熊沢がサポートするのが自然だろう。
 なので、ターゲットを南條と熊沢と想定して殺人に及ぶことが可能。
 近付いた2人をすぐさま殺害し、あっけに取られた他の使用人を残して部屋を出る。
 残りの使用人が客間に報告することを予測し、近くの部屋に隠れ、使用人が去った後に使用人室に戻り、2人の死体を運び出し、密室にした。

 そんなところだろうか。
 結論としては、使用人たちは嘉音なのかそうでないのか判断する前に緊急事態だからとそれに対応した、というところ。
 犯人の顔は目撃していないし、最終的に嘉音だと信じたわけでもない。
 エピソード4を先取りしてしまうが、誰も嘉音を見間違えていない、と言えるだろう。
 ただ、考える時間を与えなかっただけ。

 とりあえず犯人はベアトだと考える。
 嘉音は華奢なので、女であるベアトでも体型は誤魔化せるはず。


●夏妃の部屋の密室

扉も窓も内側から施錠されていた
如何なるイカサマも細工もなく、そして隠された通行手段もなければ隠れる場所もないッ
夏妃自身の鍵は譲治のポケットに入って、室内に閉じ込められていた
あとは5本のマスターキーしかないが、それは全て“楼座”が持っているッ

 扉が内側から施錠されていると明記されているので、犯人は密室の内側にいるのは確定。
 問題は隠れる場所がないこと。
 犯人が隠れていなかった以上、戦人が犯人を目撃しなかったのは戦人が犯人がいる方を見なかったからだ、ということになる。
 つまり、一つの所に注目を集めさせることで、それ以外には目を向けないように仕向けたということ。

 行方を捜していた3人の死体を、扉を開けて直ぐに確認できる場所に置くことで、それ以外のところを死角にした。
 さらに、紗音をうつ伏せにすることで、頭を抉りて殺せの見立てを確認させた。
 杭はそばに落ちているので、紗音は死んだふりが可能だから、その死を確かめさせた。
 確かめるためには紗音の死体に近付かなくてはならない。
 部屋の一番奥にある紗音の死体に。

 部屋の鍵を開けたのは戦人。
 楼座は鍵を開けることで、隙を作るのを避けたかった。
 なぜなら、誰も信じていないから。
 だから戦人に鍵を開けさせた。
 源次ではこれまでのマスターキーのことで、鍵を渡すのは憚られたのだろう。
 なので、戦人が扉を開けるのは必然と言っていい。

 扉を開けた戦人がまず最初に動くことができる。
 つまり、紗音の死体を確かめることになる。
 そして、その行動を見た楼座は、死体に細工されないよう、戦人を制止するために戦人に近付くことになる。

 だから、犯人が扉の影にでも隠れていれば、そのまま扉から脱出できるだろう。
 その脱出を目撃するのは、真里亞と源次だけ。
 真里亞は、ベアトが戦人や楼座に見えるはずもないと信じている。
 源次は、ベアトを庇うため、それを戦人と楼座には報告しない。
 真里亞に喋らないようにジェスチャーでもすれば、誰も何も言わない。

 その後、楼座は譲治のポケットから鍵を回収。
 楼座の認識では、管理している鍵は、夏妃の鍵、朱志香の鍵、マスターキー×5であることだろう。
 しかし赤き真実を考慮すると実際は、朱志香の鍵、貴賓室の鍵、マスターキー×5である。
 つまり、譲治から回収した鍵は、夏妃の鍵ではなくマスターキーということだ。

 確かに夏妃の鍵は譲治のポケットに入っていたことだろう。
 しかし、楼座が譲治のポケットから回収した鍵が、夏妃の鍵であることは確定していない。
 夏妃の鍵は探り難いポケットに入っていて、マスターキーは探り易いポケットに入っていたなら説明が付く。
 譲治の死体の体勢は、壁に寄りかかるというもの。
 尻のポケットは探られ難く、後回しにされるだろう。
 だから、探られ易い体の表側のポケットにマスターキーを入れておけば、楼座はその鍵が夏妃の鍵であるという幻想を信じてくれる。
 なので、それ以上は探らない。本物の鍵を見つけられない。


●客間の密室

 客間に置かれた手紙。
 戦人から見れば楼座が置いたように見え、楼座が見れば戦人が置いたように見える。
 これはつまり、この手紙によって戦人と楼座が争うことになるように置かれたということ。
 チェス盤を引っ繰り返せば、戦人や楼座、ついでに真里亞以外の人間が置いたことになる。

本来の客間の鍵は使用人室に封印されている
だからマスターキー以外では開錠不能! 部屋の密室定義もいつもに同じよ!

 ここではマスターキー以外考えなくてもいいので楽だ。
 戦人、楼座、真里亞を抜かせば、マスターキーを使わなくてはならない。
 だとすれば、マスターキーを入手できた来客ベアトが手紙を置いたことになる。

 戦人たちが客間を後にしたのは、源次が南條と熊沢の死体を発見したから。
 それはつまり、戦人たちを客間から出すために、南條と熊沢の死体が中庭に置かれたということ。
 源次の駒の役割は、職務に忠実。
 よって、源次がその時間に屋敷を見回ることは想定できた。

 戦人たちは客間から中庭に向かい、南條と熊沢が第七と第八の晩であることから、その前の第四~六の晩が譲治たちではないかと考え、源次に聞いた譲治たちが向かった先に向かうことに。
 チェス盤を引っ繰り返せば、夏妃の部屋に向かわせるために、南條と熊沢を第七と第八の晩に当て嵌めたということになる。

 よって戦人たちは客間から中庭へ、その中庭から夏妃の部屋へと移動することになる。
 犯人である来客ベアトは、客間の近くの部屋に隠れ、戦人たちが客間を出たことを確認して、客間に手紙を置き、戦人たちが中庭にいる間に、夏妃の部屋へと先回りした。
 まあつまりは、そういう計画だったということ。


  1. 2014/02/01(土) 23:32:09|
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プロフィール

フラット・ホームズ

Author:フラット・ホームズ
「うみねこのなく頃に」の某公式サイトで推理を投稿していた。
その時使っていた名前は察してください。
スタイルは、アンチミステリーをチェス盤で引っ繰り返す、というもの。
キコニアでは、世界を箱庭に見立て、そこにどんな駒を置いたのか、それらを動かして最終的にどういう形に持って行くのか、的な感じのを主にやっている。

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